『ヤメゴク』最終話

まさかこのドラマでサラシ巻いて紋紋背負った戸次なんてものを拝めるとは。ぜんぜんカッコいいとかじゃないんだけどw、なんかすごくラッキーな気分でした。しかも親父をダメにした親父の親父を殺そうとして親父を殺っちゃうとかもうなんという悲劇のサンドイッチ!!。親父の愛を疑い裏切ろうとしたものの、庇ってもらったことでその愛を再確認し、そして今度は自分が親父を守るために身を挺することで愛を貫いた水田だけど、戸次だって水田の親父を愛してたわけだよね。でも水田は戸次に何も言ってくれなかった。最期の瞬間まで水田の頭の中には橘のことしかなかった。切ないよなあ戸次!。魂抜けた戸次とかほんとありがとうございます。
そして勝地。なんかよくわからない理由でよくわからないことをやってたようですが、わからないところが非常に魅力的だった。こういう最終回付近で豹変するというか、本性を見せるキャラってそれまでとは“一変”することが多いと思うのね。よくある言い方をするとスイッチ入るとかギアが切り替わるとか、変わり目がはっきりしてることが多いと思うの。でも勝地演じる佐野はこれまでの延長線にある狂気だった。言い換えるならば最初から狂ってんだよね、この男は。こういう結末になることを最初から聞かされていたのか、それとも途中のどこかで聞かされたのか、それはわかりませんが、最初から最後まで「あたまおかしい兄ちゃん」として一本筋が通ってた。これって結構難しいんじゃないかと思うんだよね。そういうものを、そういう存在であることを見せたくなっちゃうんじゃないかなーと。でも勝地はそういう色気みたいなものを見せない。なぜならナチュラルにイカれてるから、だとわたしは思う。だからわたしは勝地涼という役者が好きだし評価してるんだけど、そういう意味でこれは適役だったし、行きつけだというバー(有留先生は病院でヤクザが佐野がよく行くバーについて話をしてるのを聞いて来たと言っていて、実際佐野はその店にいたわけだけど(これもまた殺されるかもしれない恐怖の中で呑む酒は最高フゥーッ!というキチガイ心理からなのだろう)、肝心のヤクザたちはなんでこの店に来ないのか?という疑問はおいておくとして)での完全に狂気に染まった表情、この表情を見ることが出来ただけでこのドラマは価値がある。あ、そんな佐野に脅されビビる馬木也もよかったわー!。
なんとなく収まるところに収まった気がするものの佐野だけは宙ぶらりんで、でもこれはこれでいいのだと思う。警察の中で飼い殺しにされるのかもしれないし、人事課長への要求が通って刑事になったらなったでまた退屈を覚えスリルを求めるようになるのかもしれないし、はたまた殺されるのかもしれないし、そこは曖昧でいいと思う。
あとあと結局「課長」でしかなかった哲司も、これはこれで、というか、こんな役でも存在感バリバリとか哲司って結構すごいと思いません??。伊達に仲間由紀恵を嫁にできたわけじゃねーなって感じでしょ??(←なぜかじまんげw)。
そしてこんなビジュアルでも北村一輝は恰好いい。
そんなわけで、事前の期待値と見終わっての満足感の差としては、これが今期一番だったかなーという感じです。