『花燃ゆ』第23回「夫の告白」

八月十八日の政変がなぜ起こったのか、そこに至る過程を描かないのは今に始まったことじゃないとして、この政変を「久坂が浮気する前フリ(キッカケ・理由付け)」として使うとかもはや言葉が出ません。長州がどれほどのダメージを受けたのかを『画』として見せる最高の素材である七卿落ちをナレで済ませて久坂と薩摩の密偵だとバレた辰路が“情を通じる”までをじっくりやるとかもうね・・・。
久坂玄瑞」を描くうえで八月十八日の政変七卿落ちは重要なエピソードであるわけで、だから久坂の視点になるのはいいんですよ。でもこれは視点とかそういう話じゃない。この政変が“長州”の話ではなく“久坂個人”の話にスケールダウンしちゃってんだけど。そもそも長州が藩として今現在京(朝廷)でどういう立場にあったのか、どんな役目を担っているのかを描いてないから御所から締め出されたとか言われてもポカーンだろ。このドラマ見てるだけだったら「え?御所守ってたの?」となって当然。だから久坂(=長州)の驚愕であり屈辱であり敗北であり挫折もぜんっぜんわかんない。演技力のなさを差し引いてもこれじゃあわかんないって。つーかおめーのおみくじ運と一緒にすんなっての。
芋扱いされた文から見れば京で起きた政変よりも旦那の浮気告白のほうが重要ってんでいいとしても、久坂にとってもそうであるように見えるってさぁ、歴史に興味がないという脚本家を使ってることはそれとして、この脚本にゴーだした奴は大河に関わるのはもうやめてもらいたい。