『天皇の料理番』第4話

兄ちゃんと辰吉が切なすぎて・・・・・・。
どんな理由があろうとも嘘ついて宇佐美さんを裏切って別んとこで料理を教えてもらう篤蔵はダメ野郎だし、面白くない気持ちはわかるけどああいう嫌がらせをするヒゲ先輩はクズ野郎だし、だから二人がどうなろうがそれは自業自得と言えると思う。でも辰吉はダメでもクズでもないじゃん。この件で一番傷ついたのは(宇佐美さんは別格として)辰吉だと思うんだよね。
辰吉は篤蔵を訪ねてきた兄貴の手紙をヒゲに渡した。黙っててやるって言ったのに結局告げ口しちゃった。
でも辰吉は言ったよね、「嘘つくのやだから出来ればもう英国大使館に行くのはやめにしてほしい」って。
それなのに、篤蔵は休憩時間でもないのに堂々と嘘ついて仕事を抜けて英国大使館に行った。
それは辰吉にとって裏切りだよね。自分の好意というか善意というか、とにかく自分の気持ちを踏みにじられたようなものだもん。
前回の感想でも書いたけどわたし辰吉に感情移入できまくりだもんで、これ辰吉は嘘ついて宇佐美さんの期待を裏切り自分も裏切られた篤蔵を責めるのではなく、きっと篤蔵に嫉妬して告げ口なんてしちゃった自分のことを責めるんだろうなーと思うと辛いわ・・・。
辰吉が篤蔵がしていることを知った時、その時点で篤蔵は宇佐美さんに言うべきだったよね。チーフの人が言った「真正面からぶつかるのが真心」ってのは本当に学びたいのなら黙って(嘘ついて)習いに行くのではなく行かせてくださいと真正面から頼むべきだったってことだと思うのだけど、なまじ辰吉が黙ってあげちゃったせいで篤蔵のコソ練がここまで続いてしまった・・・って見方もできると思うのね。ていうか辰吉はそう考えるんじゃないかなーと(わたしならそう考えるから)。なので辛い。
つーか篤蔵も馬鹿よね。いやだれがどうみたって馬鹿なんだけどさ(笑)。
野菜係への昇格を先輩たちに認めさせたことこそ英国大使館で学んだ肉の調理法だけど、それ以外は自分の努力と機転、さらに料理への熱意、そこを買って宇佐美さんは野菜係のシェフに抜擢しれくれようとしてたわけだよね。さらには目の上のたんこぶというか、篤蔵にとっては“イヤな先輩”である荒木もいなくなると篤蔵にとってはウハウハ展開になったはずなのに、それを逆ギレで台無しにしちゃうとかほんと馬鹿。
で、ここで実家に帰ろうかな・・・と折れそうになった篤蔵を支えたのはまたもや兄やんですよ。
兄やんマジ切なすぎ。あんなに大きかった兄ちゃんがこんなにゲッソリ痩せちゃって、チビで猿みたいな弟の健康を羨んでしまうとかさぁ・・・気の毒すぎて言葉が出ない。
そんな兄やんを出迎えてくれたカーチャンの顔がもうなんとも言えない笑顔でさぁ・・・それだけに余計切ないのよね。それを見た兄やんの泣き笑いがあまりにも切なすぎるので脳内でパンツ被せてみたけどそれでもやっぱり切ないとか卑怯だー。


宇佐美さんは篤蔵のコソ練のこと気づいてたのかなぁ。コンソメで肉を茹でるだなんてどれだけ料理のセンスがあっても篤蔵に思いつくようなものではないのならばあの時に気づいたんじゃないかと思うのだけど、気づいていたとして、それを黙認してくれていたのはやはり篤蔵の情熱を尊重してくれていたからであろう。でもああいう形で先輩に手を上げてしまったらもう切るしかないよね。それが共に働く部下たちへのケジメだろうし。篤蔵に三度目の蹴りを入れた瞬間は悔しかっただろうし無念だっただろうなぁ。
調理場から聞こえる篤蔵の挨拶をどんな想いで聞いているのだろうかと想像しようとしたところで画面が切り替わるとそこにいたのは暗闇の中煙草の煙をくゆらせる小林薫。この尋常じゃない色気の宇佐美さんの出番はこれで終了なのでしょうか。宇佐美さんのスピンオフがほしいです・・・。