深木 章子『殺意の構図 探偵の依頼人』

殺意の構図 探偵の依頼人

殺意の構図 探偵の依頼人

狭い人間関係(家族関係)の間で連続して不審死が続き、関係する人間たちがそれぞれの思惑でそれに関与する。最後に明かされる一連の死の構図とは・・・ってな話で、言ってしまえばワイドショーもしくは東海テレビほどぶっ飛んでない昼ドラ要素を含む2サスのような感じの作品でした。
まず最初に放火殺人の犯人とされる男の弁護人の視点で語られるのですが、この容疑者が明らかに何かを隠しているというか胡散臭くて、こいつの真意、目的はなんなんだろう?というところまでは面白く読めたものの、この男に関係する女達の情景パートになると一気に陳腐化し、だったらもっと昼ドラ路線で堕ちるところまでおとしてくれればそれはそれで楽しめそうなものの突然出てきた(ように感じた)元刑事の私立探偵とやらがまとめに入っちゃって、タイトルにある「依頼人」でどんでん返しがあるかと思いきやド本命だし、そのわりになぜ依頼したか等の説明はないしで終わってみれば何も残らないというまるで出来の悪い2サス。