『SOUND THEATRE×夏目友人帳〜集い 音劇の章〜』@東京国際フォーラム ホールA

すっっっっっっっっっごく良かった!。
元々大好きな作品で、その朗読劇ってことでとても楽しみにしていたのですが、「朗読」劇というよりも朗読「劇」って感じで、アニメキャストによる朗読も『音劇』を作る要素の一つでしかなくて(いい意味でね)、主人公・夏目役の神谷さんもご挨拶の中で仰ってましたが朗読と音楽と照明と、あと風やスモークや従者によるお香(の匂い)という特効、それら全てによって夏目友人帳のあの世界観が作られてました。

特に一幕の音劇版「儚い光 〜きずな〜」のクライマックスシーン、蛍の妖である「ホタル」が明日結婚する愛する男に妖としての命(姿)を捨て蛍になって会いにいき、そんなホタルの想いに応え辺り一面を蛍の光が埋め尽くすその様は幻想的かつ圧巻だった。ホタルの想い、男の想い、そして夏目の想いが溢れてるようで、その情景だけでもう一瞬で目頭きゅーーーーっとなっちゃう。

これドット演出って神谷さん言ってたかなぁ?大量の小さな電球を使う演出で、それをチカチカさせるだけという言ってしまえばとても素朴な演出なんですよね。でもそれが夏目友人帳らしい。例えばこれを映像で見せたり「一面の蛍だ」と台詞で伝えるという手もあると思うのだけど、この実際に小さな無数の光を瞬かせるという儚くて切なくて、でもどこか暖かい演出はまさに夏目友人帳の世界。
もちろんそこではアニメで流れるあの曲が鳴っていて、夏目を呼ぶ友人たちや中級の声が聞こえ、そしていなくなったと思ったニャンコ先生がいつもと変わらぬふてぶてしさでそこにいる。

わたし夏目が孤独じゃないんだって、自分は今一人じゃないんだって感じてくれることに過剰に感情移入する癖があってw、だから夏目が「夏目!」「なっつめっさまー!」って呼ばれるだけで泣きそうになっちゃうんですよねw。リアルに目の前でそんな夏目を見るのはヤバかった(笑)。

あと神谷さんは暗転してる時(音楽オンリーの時)も例えば風の様子を伺う時は上空を見てみたりと夏目の気持ちと同化してる動きをしてて、なんかほんともう・・・たまんなかったです(笑)。

あーあとわたしニャンコ先生よりも斑様派!!なんで(ていうかニャンコ先生はもはや別格というかそういう次元の存在じゃないもんw)、余計なことに首を突っ込む夏目のために「ったく、仕方ない。しっかり捕まってろよ」といいつつ空翔けてくれる斑様を生で!ほんとは自分が妖を蹴散らしたのに守り犬の力だって『優しい嘘』をつく斑様を目の前で!拝めてマジ失禁でございました(笑)。
耳だけでなく五感全てで夏目友人帳の世界に浸れるとかほんと幸せだったー。


そして違う意味で幸せだったのは出演者全員和服姿だったということである。
しかもキービジュをイメージしてか着物の上に女性ものの羽織をひっかけてるもんでアヒャー!。
http://animeanime.jp/article/img/2013/09/29/15733/23459.html(←集合写真をごらんくださいな!)

神谷さんは着慣れてない感バリバリというか、肩幅狭くてなで肩なせいか羽織が肩に引っ掛かってなくって、もちろん落ちないように留められてるんだろうけどそれでも気持ち的には落ちそうな感覚だったのかなぁ?なんかやたら前のめりになっててwそれがとても・・・・・・可愛い(笑)。最初ボリュームないわ前髪ぱっくりだわでなんで今回神谷さんのスタイリングこんな適当なのだろうか?と思ったんだけど、夏目に寄せたヘアスタイルなんだと気付いた瞬間わたし溶けたね(笑)。

それに比べて和彦さんの似合いっぷりといったら!!。裾に金があしらわれてる白い着物の上に赤オレンジの花模様の羽織なんだけど、どっからどう見ても遊女の羽織はおったそれなりの身分の人である(笑)。これぜったいア〜レ〜!って帯をぐるぐるほどくお代官プレイが日常だわと(笑)。もしくは893(笑)。

浜賢さんは文学を書かれてる人なんだけど、全く売れないから妻が文字通り身体張って生活を支えてくれてるわけですよ。そんな妻を快くは思ってないし何よりも自分の不甲斐なさに苦しみながらも妻の仕事服をついつい羽織ってしまってその倒錯に悶える図(笑)。

一眞とすがぽんはヒモ(笑)。一眞はプロのヒモですがぽんは肺病持ちのヒモ(笑)。

そんでもって良平くんはタダの呉服屋のボンボンにしか見えん(笑)。
(つーか良平くんは自分の出番が終わると予め次の自分の出番まで台本のページめくった状態で袖机に台本置いて両腕を組んで(両手を袖の中にいれて)目つぶってんだかなんだか下向いてんのってどうなのかなーとか思ったり。気持ちの保ち方は人それぞれだけど“一人だけ”その態度ってのはやっぱ悪目立ちするんだよねぇ)

夏目の世界に浸りましたとか言ってるくせに、頭の中ではこんなシチュエーションで妄想を繰り広げるわたしであったw。
てかね、演者は全員1.5メートル四方ぐらいの大きさの黒い台座に乗ってるんだけど、台から降りるときに踏まないように羽織の裾を持ち上げるのね。で、男性陣は降りるとそのまま裾を持った手をちょっと後ろに引いて裾を流すような感じで歩くんだけど(あれ?和彦さんだけは裾なんぞ持たずに堂々と歩いてた気がするw)、神谷さんだけは裾を身体の前で軽く手繰り上げるのね。なにこのたおやかさ(笑)。意味がわかりません(笑)。

・・・って、実際にはすっごい感動したんですよ!なのになんでこんなにも「(笑)」が多くなってしまうのか。自分の感受性の貧しさが恨めしい・・・。