青崎 有吾『体育館の殺人』

体育館の殺人

体育館の殺人

第22回鮎川哲也賞受賞作です。
鮎川賞史上初の平成生まれの受賞者ですってよ・・・・・・。なんかさぁ・・・なんかさぁ・・・私何やってんだろ?って思っちゃいますよね、なんかね。


巻末の選評でも言及されてますが、確かに論理に穴があるというか、頭の中にある結論まで持っていく過程で証明すべきこと(証明できないこと)をあえて「それはまぁないでしょう」とか「それしかありえません」といった表現で、言い方悪いけど誤魔化してるように感じる箇所が結構あって、あんまり美しくないなぁ・・・とは思いました。スカっとしないというか。
でもそれよりなにより気になったのは、作中で女子生徒の制服のリボンは「赤」と明言されているのに表紙絵は「緑」なのはなぜなのかと。ていうか男子生徒は「緑」のネクタイなんだよね。そういう学校もあるだろうけど、でも女子はリボン男子はネクタイと形状は違っても大抵色は同じじゃない?。肝心なのはそこにリボンがあったという事実だけで何色でも構わない、極論を言えば制服のリボンでなくとも構わないわけだけど、だからこそ気になるんだよなぁ。


探偵役の属性がよくも悪くもアニメ的すぎて苦笑いしてしまったわけですが、でも当時は全くそんなことを思わなかったものの今にして思えば十角館の登場人物たちの名前(設定)も大概なわけで(笑)、これが歳を取るということなのだなぁ・・・なんてね(笑)。


しっかり続編への種まきがされてるけど、この探偵の設定だと次は今回のように自分で歩き回って証言や証拠を見聞きし論理を組み立てられるわけではないだろうけど、かと言って完全なる安楽椅子探偵タイプでもないと思うんで(聴取や現場の確認等を行う際ある程度「自分の感覚で」それらを見聞きする必要があるのではないかと)そこいらへんにどう説得力を持たせられるのか楽しみ。