吉村 達也『妖精鬼殺人事件』

妖精鬼殺人事件 (魔界百物語01)

妖精鬼殺人事件 (魔界百物語01)

吉村達也ライフワークの全100巻 書き下ろしミステリー第一弾”だそうで、過去に他社から出版された作品を下敷きにし(?)全く新しいシリーズとして刊行される全100巻からなる物語の記念すべき第1巻目、らしいです。『魔界百物語 1』とあるんでシリーズタイトルは“魔界百物語”になるのかな。これだけぶち上げたからには当然100冊分の大枠は出来ているのでしょうが、気合入ってんなぁ。
その下敷きとなっている作品は未読なので私にとっては完全に初めて触れるシリーズということになるわけですが、精神分析医・氷室想介と人の心を操る謎の殺人狂QAZの宿命の戦いが描かれるようです(宿命って・・・うっすら笑ってしまったことは秘密で(笑))。
記念すべき1巻目はこれからシリーズを展開するにあたっての人物紹介と世界観説明が主目的ではありますが、作中で描かれた事件自体は今作内でとりあえず決着がついてます。でも犯人を動かす力(技術というべきか)がどういったものなのかはまだ全く分からないので、表面上の理解しかできないかなぁ。
9.11同時多発テロとか電力不足とかコスプレとかアニメ声などといった現実描写が結構あるのですが、各巻でその時々の世情が織り込まれるのだとすればその点もシリーズ通して楽しめる要素になりそう。
でもさすがに100巻は付き合える気がしませんが(笑)。