安萬 純一『ガラスのターゲット』

ガラスのターゲット

ガラスのターゲット

読み終わったのは4.5日前なんですが、いま感想を書くために思い出そうとしてもどんな話だったっけ・・・?と思ってしまうほどぼんやりとした話でした。20歳の被害者という共通点で結ばれたレストランの爆破事件と集団服毒事件が起きるというつかみこそ派手でしたが、そこからの謎解きがなんていうか・・・地味なんだよなぁ。ぶち上げた事件と真相(動機)のバランスが悪いというか。やたらとあちこちの署から事件を担当する刑事が登場するんだけど、そのわりには捜査の描写もどこか物足りない。ゴテゴテと装飾された文章に比べたら簡潔でいいとは言えるかもだけど、簡潔<描写不足に感じました。
ただ、第20回鮎川賞を受賞した「ボディ・メッセージ」が前作にあたるようで、行方不明探偵・被砥功児ものとしてシリーズ化されるということなのでしょうが、この探偵とその相棒とさらにその助手?である青年の関係性はちょっと面白いかも(上手く転がれば妄想のネタになるという意味で(笑))。