『花ざかりの君たちへ〜イケメン☆パラダイス〜2011』第2話

さてさてどうしたもんか。
梅田や佐野に瑞稀が女であるとバレるのも佐野がハイジャンを辞めた本当の理由を話すのも中津が「男である」瑞稀への恋心を自覚するのも全部必要な展開でありそうなることは“分かりきってる”ことだとしても、だからといってそれらの描写を『まとめて1話』でやるかフツー。おまけにイベントぶっこんでんだぜ?。何この雑な作り。1話はとにかく『チープ』だなと思ったんだけど、2話終わってみたらチープどころか『雑』だわ。金の問題ではなく気持ちの問題。これじゃ前作のリメイクどころかダイジェストじゃん。美味しいとこウケたとこだけ摘んで適当に詰めただけじゃん。特に中津。中津の描写は何から何まで酷すぎる。中津の一人自問自答タイムに関しては後述するとして、それ以前に中津が瑞稀に恋心を抱くようになったキッカケ(理由)がサッパリわからん。いい匂いがしました。肌もきれいだし身体もなんか柔らかいです。⇒好き!!!?飲み残しのジュースで間接キッスしたいいいいいっ!!!って頭おかしーだろ。確かに前回も言ってしまえばこんなだったよ?毎日一緒にキャッキャしてるうちに瑞稀っていい奴→男なのになんか可愛いし→男なのにやべーマジで可愛いんですけど→シャワーしてる後ろ姿とか男なのにまじまじエロイし!→好きかも・・・!?ってなことになってたわけでこの瞬間恋に落ちました!と明らかにわかるイベントがあったわけではないですよ。でも中津がどんどんと瑞稀を好きになる過程は見てて分かった。中津劇場という武器もあったおかげでもんのすごい説得力があった。だからこそ中津の切ない恋心を全力で応援できたわけじゃん。それがどうよ?今現在瑞稀がストーカー入学してどのくらいの日数経ったのか知らんけど確実に言えることは『3ヶ月』すら経過してないわけだろ?視聴者にしてみりゃ体感的にはそれこそ1.2週間程度しか経ってないように思うわけで、瑞稀と中津の仲の良さすらまだ実感できないわけですよ。それなのに中津はもう瑞稀への恋心を自覚してて悶々としてるって視聴者置いてけぼりにも程がある。
しかも、し か も その悶々を表現するのに前作の代名詞ともいえる「中津劇場」をそっくりそのままパクるとかね。これやった瞬間「終わった」と思った。中津が翔平くんだと発表された時も、斗真の中津を真似したとしか思えないキービジュアルが投下された時も、翔平くんに斗真中津の一人芝居だけはやらせるなと思ったんだけど、その理由は技術力の差もさることながら、中津劇場は斗真が中津というキャラを演じるにあたり悶々とする胸のうちをどう表現すればいいのか苦心の末に産み出したものだって知ってるからなんだよね。そもそも斗真の中津は原作の中津とは別物なわけで、それなのにあそこまで受け入れられたのは斗真がちゃんと中津というキャラに向き合い“自分なりの中津”を作ってきたからこそなわけじゃん。その象徴が中津劇場なわけじゃん。確かに“いいもの”は継承すべきだとは思う。だけどこれだけは例えリメイクであっても“やるべきではない”と思うの。事前には自分なりの中津を作りたいと言ってた翔平くんなんで、きっと別の演技プランを用意してたと思うんだ。その上でいろいろ試した末にやっぱり中津劇場のほうがいいよねってな結論に達したのかもしれない。だったらせめて斗真の中津劇場を越えるものを見せろよと。それが無理ならかんっぺきにコピーしてみせろよと。それがリメイクってもんだろ?。もうね、この中津劇場からは何ら“想い”が伝わってこないんだわ。斗真中津の上っ面だけなぞっただけで演出からも演技からもこのシーンに対する愛が全く伝わってこない。ただでさえ主役が微妙すぎるのに肝心の中津がこれとなるともう無理だろと・・・・・・。
文句ついでに言っちゃうけどさ、これも演出が悪いんだか翔平くんが中津を理解できてないんだかわかりませんが、中津の最大の魅力ってのは優しさだと思うのに翔平くんの中津からはそれが伝わってこないんだよね。これは致命的。蒼くんの佐野は見た目もキャラ造詣も小栗さんの佐野とは変えてきてて、一言で言っちゃうと小栗佐野よりもナイーブ度が増してるのが蒼くん佐野だと思うのね。それなのに翔平くん中津は斗真中津と同じような感じで蒼くん佐野に接してる。ツンすぎるあまりふてぶてしさすら感じさせた序盤の小栗佐野相手とは明らかに異なる蒼くん佐野相手に同じように接してるもんだから相対的に中津の印象がキツくなってるんだよねぇ。中津の不器用な優しさが全然見えなくてただの声がデカイ兄ちゃんでしかないの。斗真の中津は小栗さんの佐野がいてこそなわけで、蒼くんは蒼くんの佐野を作ろうとしてるのに翔平くん中津は斗真Verの中津ってそりゃ合わないに決まってる。


でさ、こんだけ文句書いといてなんなんですが前回同様わたしはメインの三角関係にはさほど興味はないわけで、背景生徒が輝いていればそれで充分なんだけど、今回はそこに関しても雑、雑ってか適当。これがいっちばんムカつくの!!。イベント演出がショボくなるのは仕方ないと思うよ。だって予算ねーんだろうから。だったらその予算のなさを勢いとかパワーとかでカバーしろよと。キャストはやろうとしてると思うの。番宣とか雑誌とかで見る限り、キャストはいかに目立つかいかに盛り上がれるか努力してる(しようとしてる)と思うんだよ。だけどそれを見せるべき場が与えられないんだもん。イベントで大事なのは準備期間なの!!背景がそれぞれ個性を見せられるのはイベントの前なんです!!!。それなのにそこいらへんは背景まるっとひとまとめにしてワンカットってぜんっぜん分かってない!。2寮だって今回のミスコンはコスプレ大好き野江くんが活躍できる場面じゃん!セーラー服用意したよ〜ってそれだけじゃコスプレ衣装作りが得意って設定全く活かしてねーだろ。そこは野江くんがナース服とかミニスカポリスとか綾波とかいっぱい用意してそれを2寮メンバーがギャーギャー言いながら試着してみるとかさ、そういうのやってこそのイケパラじゃねーのかよおおおおおおおおおおお!!。こんなんじゃ背景に愛情持てない。まさに背景のまま終わっちゃうよ。
これだけ背景を適当に扱っておきながら、オチは佐野の女装で2寮メンツがステージ上がってイェーッで終了ってマジでなんなの?。神楽坂と再び真っ向勝負するのが怖いんだ→じゃあとりあえず女装して皆の前に出てみればいいよ!→いい仲間がいるんだね って意味がわからない。全然わからない。女装する勇気とハイジャンに挑む勇気は同じなの?佐野の苦しみと仲間は関係ないじゃん?。馬鹿騒ぎの印象が強いけど、「佐野が再びハイジャンを飛ぶ」過程は結構しっかり描いてたんだよね、前回は。関目の存在も上手いこと使えてたし。せっかく演技できる蒼くんをキャスティングしたんだからそこいらへんもちゃんと描けばいいのに。
・・・・・・・・・と思ったけど、蒼くんの芝居を受けるのが前田さんに山田なんだよな・・・・・・。
・・・・・・・・・神楽坂もなんかチンピラみたいだし・・・ていうか蒼くんと比べると若さ的にちょっと厳しいし・・・・・・・・・・。


イケメンシェフいっけいはあれベネズエラだっけ?外人ってことなのか?(無駄設定・・・)。生徒たちが日常的に食べてる料理もなんか栄養バランスもクソもない現地料理っぽかったからそういうのしか作れないって“設定”なのかなーと思ったんだけど、だとすると難波先輩が毎度毎度もってくるおにぎりやらサンドイッチやらは誰が作ってんの?って話なのよね。難波先輩のオンナに作らせてるのか、それとも難波先輩自ら作ってるのか。ああいう場で腹減っただろーってご飯もってきてくれる難波先輩マジ兄貴!ってだけでそこいらへん何一つ考えてないんだろうなってのが見えちゃうのもどうかと思うのよね・・・。初回の感想で今回の難波先輩は自ら率先して馬鹿やるタイプではなく後輩たちを優しく見守りつついざってときには盾になってくれるタイプの方がいいんじゃないかと書いたんだけど、2話は結構そういう感じが出てたと思うのね(贔屓目入ってることは自覚してます)。このまま掘り下げていけば前回よりもフェロモンは劣るものの優しくて大人なれんれんの難波先輩が出来そうではあるのに、こういう表面だけの演出だとそのための余地があまりなさそうなんだよなぁ・・・。それがすこぶるもどかしい。


あんな顔してえげつない嫌がらせしまくっておきながら「お願いだから難波先輩には言わないで!ねえお願いだからぁ!」と中津に必死で懇願する中央は可愛かった。
あとオスカーのドラキュラ(練習Ver)が激しく良かったです。