『花ざかりの君たちへ〜イケメン☆パラダイス〜2011』第6話

別にそこにリアリティを求めるつもりは毛頭ないんだけどさ、それにしたって山田関目のレース描写が酷すぎて変な笑いが零れました。この大会どんだけレベル低いの。他に関目役やれそうなやついませんでしたかw。可哀想すぎるからもうあんま前作と比較してどうこうってのは言いたくないんだけど、でも前作関目のヘタレ返上シーンは応援する仲間たち含め思わず本気で涙ぐんじゃったぐらいアホ可愛く、そして何よりも岡田まーくん関目が美しかった記憶が未だ鮮明なのよね。だもんでさすがにこの関目には白目にならざるを得なかったわ・・・・・・。前回と今回の違いが最も分かりやすく見えたシーンだったと思う・・・・・・。
ていうか今回はレイプ騒動後編と関目と佐野の友情話(ってほどでもないけど^^)と理事長の言葉に対する自分たちなりの答えを見出し瑞稀は仲間たちの写真を撮り、そしてWオスカーと内容盛りだくさんだったはずなのに、受ける印象としては薄っぺらいの一言なのよね。ていうかぶつ切れ。冒頭あれだけ小鹿のようにぶるっぶる震えてた瑞稀なのに、終わってみればあれは何だったんだ・・・?としか思えん。ていうか女モノの下着が発見されて最後に洗濯機使ったのって芦屋じゃね?と疑われて倒れるってなにそれ。
視聴者目線(+事情を知ってる劇中人物目線)としてはレイプ未遂なんて酷いことを経験し、その上自分の下着で男子どもが大騒ぎしてるわけだからぶっ倒れるのも仕方ないよねと思えるけどさ、一応瑞稀は“女だとバレないように努力してる”わけでしょう?。だったらちょっとはやせ我慢というか、倒れそうになっても堪える、弱いところを見せないように必死で頑張る、そういう姿勢を見せるべきじゃないのかなぁ。男に襲われそうになって震えてる男を助けにきてくれた男が抱いて暖めてるってなにこの図って感じじゃん。それだけ動揺してたってことなんだろうけど、だからこそ自分は男なのにって佐野にアピれよと思うんだけどなぁ。俺は男だからあんなことどうってことない、だから忘れてくれよって無理にでも言うのが瑞稀だと思うんだけど。中津以下全員血相変えて瑞稀のことを心配してたけど、でも“芦屋は男”なわけじゃん?同性間だろうがなんだろうが襲われそうになったショックはもちろんあるだろうけど、でも男じゃん?佐野も一緒なわけじゃん?だったら「そんな心配しなくても大丈夫だろ」って言う奴がいてもよくねぇ?。ここまでくるともう瑞稀だけが自分は男だと言い張ってるだけで他の全員実は女だととっくの昔に気付いてるんじゃないの?と思えるよ。
堀北ちゃんの瑞稀はここまで女オンナしてなかったと思うのね。ていうか『佐野をもう一度飛ばす』という明確な目的のために淡々と冷静に事を運んでいたような気がする。今思えばだけど。で、前田さんの瑞稀が桜咲学園にとどまり続ける理由は『佐野が飛ぶ姿をもう一度見たい』からだよね?。前田さん瑞稀は結局佐野のためではなく自分のために行動しているように見える。だから女であることを偽り男(佐野)と同室で日々を過ごしていたことがバレたら大問題になると言われてもさしてその重要度を理解してるようには見えないんじゃないかな。バレたらみんなに迷惑を掛けるといいつつも、言い方悪いけどつきつめて言っちゃえば「自分のことしか考えてない」わけだから。飛ばせることが目的なのと飛ぶ姿を見ることが目的であるという違い。この差って結構デカイんじゃないかなぁ。
で、わたしは前田さんの瑞稀像はこれはこれで間違ってないと思うんだよね。間違ってないというか、堀北ちゃん瑞稀の心情よりもむしろずっと理解できると思う。同じ女として。「自分のせいで怪我をさせてしまった→もう一度飛ばせるために男子校に男子として入学」よりも「佐野が好きで佐野が飛ぶところを見たいから男子校に男子として入学」の方が行動理由としては理解できる。その上で、であれば過剰なほどに『男のフリ』をするべきじゃないの?と思うんだよねぇ。堀北ちゃんが難なく男子に溶け込んでいたのに対し前田さんはどっからどう見ても女でしかない。画面の中で瑞稀が女であるとバレないことに説得力がまるでない。素材と演技力の差はどうしたってあるからそれらについてはまぁ言っても仕方がないことだと思うんだ。だけど前述の通り瑞稀像は大分異なるわけだから、堀北ちゃんのように特に男のフリをせずナチュラルに振舞わせるのではなく、過剰なまでに、襲われても必死で強がり男のフリをしようとさせるほうが前田さん瑞稀の描き方としては“正しい”んじゃないかなーと。それはきっと健気さに繋がるだろうし、視聴者にしてみりゃどう見たって女だけど頑張って男のフリしてるから誰も気付かないんだろうと思える・・・かもしれないじゃん。もちろん全員で瑞稀を心配するなどという描写もカットよ?。・・・・・・って考えると、やっぱりレイプシーンはいらなかっただろうという結論になるよなぁ。
てかさ、何がすごいって、レイプなどという非道なエピソードを入れながら、それが佐野と瑞稀の間にさして影響を及ぼしてないってことなのよね。レイプ未遂→下着忘れで佐野は「芦屋のこと心配でたまらないんだよ!」ってな感情を自覚したようだけど、瑞稀自身は「ごめんな〜」って言うだけでこれまでと別段なにも変わりはないっぽいよね?。前作瑞稀よりも佐野への恋愛感情が明らかなんだから、例えば一晩佐野の腕に抱かれてたことを思い返し、男子として振舞い続ける辛さ、佐野への想いを隠し続ける辛さにこれ以上耐えることはできないと悩み、だから下着を忘れるなどという凡ミスをしちゃったとかさ、そういう間の描写が全くないもんだから結果としてはレイプが釣りネタとして以外に何の意味もなかったように思えてしまうわけ。ただ“レイプされそうになりました。危機一髪佐野が助けてくれました”という事実のみを見せるだけで、そこから各キャラの心情を掘り下げることや関係性の変化に繋げるようなことはほとんどなされない。レイプに限らずこれまでの数々のエピソード(イベント)でもね。
今作以上に馬鹿みたいにギャーギャー騒いでた前作でもそれが出来てたとは言えないとは思う。だけど肝となる『佐野-瑞稀-中津』の三角関係、特に佐野と中津の心情と関係性はもどかしさ切なさ全開でまさにラブコメらしかった。それはやっぱり小栗さんであり斗真であり堀北ちゃんのあらゆる意味での「力」があったからこそだと思う。今作の三人の力は前作のソレには到底及ばない。それは明らかだよね。だから前作みたいに個々の力に頼る作りじゃダメだと思う。ダメってか無理だよなぁと。蒼くんの佐野が大分掴めてきたこともあるのかかなり良くなってきてるように見えるのは、二人よりもちょっとは“蒼くんの佐野用の演出”になってるからだと思う。今回の追い詰められたところへ中津が来て本気だせよとかなんとか言われて大声だして自分の殻破る場面なんかはほんと良かったし。リメイクは結構だけど同じ役でも演じる役者が違うわけだから、ちゃんとその役者に見合った演出をしなかったこと、これがこの惨状の最大の原因じゃないかな。
・・・・・・ってところへ前作のキャラを持ってきてもねぇ・・・・・・。どうなるのかと思ったWオスカーはただ「正夫」という名前に反応しただけで自分も「オスカー」だとは言わなかったから世界観的には上手いこと誤魔化してはいたものの、明らかに空気違いすぎてドラマの中のシーンとしては浮きまくってたよなぁ。なんで現オスカーが一人であんなところをフラフラ歩いていたのかわかんないし(そりゃ普通なら一人歩きもするだろうけどこれまで常に3寮メンバーを引き連れ単独行動など1度も見せなかったオスカーなんだから例えば「理事長の言葉の意味をたまには孤独に考えてみたい」って言わせるとかさ、Wオスカーが出くわすための前フリがあったほうがいいと思うの)、姜くんオスカーに至ってはほとんど頭おかしい人じゃん。エクソシストではあったけどwあんなじゃなかったと思うんだけどなぁ。Wオスカーの場面だけを切り取れば二人とも頑張ってんなーと思えたけど(笑)。
それだけならまだしもWオスカーの共演に無理やり意味合いを持たせるために現オスカーが前オスカーから「助言」を受けたことでオスカーがマジ演説しちゃったしね・・・。難波先輩の影がどんどんと薄くなっていく・・・・・・・・・。ていうかオスカーと難波先輩がパチンと手を合わせたのにはキャヒーーーーーーーン><てなったけど、その向こうで天王寺が寮生たちと完全に同化してていいのかと。オスカーに演説なんかさせるからそういうことになるんだよ。Wオスカーのために3寮長のバランスが崩れても全く気にしてないのよね。現状をなんとかすべく努力してることは認めるけど、方向性としては何かが決定的に間違ってる気がします。


しかしわたしも毎回毎回よくもまぁこんな長文をポチポチするとかどんだけイケパラに執着してんのかと(笑)。