大倉 崇裕『白戸修の狼狽』

白戸修の狼狽

白戸修の狼狽

お人よしで究極の巻き込まれ体質の白戸修くんシリーズです。中堅出版社に就職した白戸くんですが、今度はそっち方面で巻き込まれるのかと思いきや、たまの休日にわざわざトラブルに巻き込まれてしまうあたりまさしく最強です。巻き込まれ型主人公って笑えるかイライラするかどちらかのことが多いのですが、白戸くんは癒されます(笑)。白戸くんは自分がどういう属性かということをきちんと理解してくれているので、話の発端がどうあれ巻き込まれることにさして抵抗しないし、巻き込まれるとなったら自らその渦に飲まれるようにしてとことんまで巻き込まれる。有給を使っても最後まで責任を持って巻き込まれる。その様が潔く、そして癒されるのです。癒されるというか、気持ちいいって感じ。
で、白戸くんは今回知る人ぞ知る有名人になってしまうのですが、そこで「担当」ぐらいは大丈夫だとしても「オリキ」だの「ヤラカシ」だのという単語が出ると居た堪れない気持ちになりますね・・・。しかもバリバリのオタクらしくその描写が無駄に詳細なので余計に痛さ倍増です・・・。