『湯けむりスナイパー』第11回・最終回

どんなバッドエンド(源さんが死ぬ)になるかと思ってなかなか最終回を見る勇気が湧かなかったわけですが、見てよかった・・・。エージェントも殺し屋もなり手の数は極少でしょうが替わりが利くというか・・・替わりが必要な商売だろうからこういう結末を迎えたとしても源さんを取り巻く状況にはさほど変わりはないのでしょうが、とりあえずQがエージェントを殺ってくれたことで源さんと組織を繋ぐ人はこの世に存在しなくなったわけだし(Qが裏切らない限り)、源さんが女将さんと番頭さんに息子のようなものだと言われ(女将さんが母親で番頭さんが父親だと言われ、「それはちょっと・・・嫌です」とそこはキッパリ拒否する女将さんバロスw)椿屋を本当の意味での居場所だと感じることができたラストは本当に嬉しかったし、グッときたわ。このドラマの功労者の一つは間違いなく源さんの心の声を字幕にするという演出だったと思うのですが、最後の字幕が「ウイッス」なのとかズルイだろ!ボロ泣きだっつの。

源さんがわけアリだって知ってるくせに源さんが写りこんでる写真を全国(少なくとも東京向けだろう)紙に載せるだなんて番頭さんは万死に値するっ!!と憤慨しまくったわけですが、エージェントと風呂に入り(前から思ってたけど源さんは誘われたからと言って仕事中にノコノコと風呂に入るなw)白濁したお湯の中を足の指に挟んだ刃物をスーッと滑らせ乳首上、つまり心臓を狙ったかのごとくつんつくする源さんの凄みが見れたので許してやる。

あと源さんの後釜がどう見てもキ●ガイゴルファーな拓ちゃんだったのにはニヤニヤしました。相変わらず画面から浮きまくる俺っぷりの拓ちゃんでしたが、ノッリノリの拓ちゃんに対して一発だけ込めた弾丸を一滴の涙を流しつつ「生きたい。あがきたい」と源さんが撃ち込むというその図は、ああ・・・源さんがどれほど新たな人生を歩き直したいと願っても、やっぱり殺し屋は殺し屋として生きるか死ぬかしかないのだろうか・・・と遣る瀬無い気持ちで一杯になったし、日常をあるがままに淡々と描き続けてきたこのドラマの中で突如現れた異次元キャラとしてのその浮きっぷりがむしろその後の椿屋に戻る道を選んだ源さんの笑顔をより一層イイものにしてくれたと思いました。
拓ちゃんだけでなく、このドラマはキャスティングが本当に秀逸だったと思う。結構名の知れた人もそうでない人も、出る人全てが地に足ついてるというか、そこいらへんにいそうなリアリティなんだよね。なるしとかおもしろかったなぁ(笑)。『引退した殺し屋が秘境の温泉宿で第二の人生を過ごそうとする』というとてもとても普通とは言えないような設定なのにw、オッサン二人が深夜の河原でコソコソと袋麺を食すだけというドラマとは思えないほどの淡々とした日常を描き、でもそれが紛れもなくドラマとして成り立っていたというこのギャップ・・・というのとはちょっと違うかもだけど、パッケージと中身の違い?にグサグサやられた良質なドラマだったと思います。見てよかった。今年の上半期ナンバーワンです!!。