- 作者: 笹本稜平
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2006/11/21
- メディア: 単行本
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三十年間マル暴一筋のわりには全くその種の匂いがしない刑事が主人公。ちょっと藪をつついてしまったせいで、全く畑違いの新設部署ハイテク組織犯罪特別捜査室[通称:ハイ特捜査室]に追いやられてもこれまで配置転換を何度も断わってきたってのに、今回は全く抵抗するでもなく諾々と従ってるし、ヤクザに顔が利き、捜査にIT知識も必要というのが必須条件なので仕方がないとはいえ、もうちょっとそれらしい設定はなかったもんかな。事件の背後にいるのはきっとそのあたりの人だろうなぁというのは簡単に想像がついてしまうのですが、秋川の身近に情報を漏らしている裏切り者がいることが分かり、そいつは誰だ?という枝は二転三転して面白かった。
スペクタクルアクションが得意(だと私は思っています)の作家さんがハイテク犯罪という身体を動かさない世界に挑戦したことは評価しますが、なんだかマニュアルを見ながら書いたようなぎこちなさで、なんというか作家も大変だよなと思います。