新堂 冬樹『砂漠の薔薇』

砂漠の薔薇

砂漠の薔薇

ごく普通のサラリーマンの夫を持つのぶ子は、娘の美涼を名門国立幼稚園入れるために、幼馴染の十和子をリーダー的存在とするハイソなお受験ママ達のグループに加わっている。だが生活レベルの違いは明らかで、十和子以外のママ達からは蔑まれる屈辱の日々。そんなある日、日頃のぶ子に対して執拗で陰湿ないじめを繰り返す芳江がスーパーで万引きをする瞬間を目撃したのぶ子は、ライバルを一人蹴落とすためにある行動にでる。


何年か前にあった事件をモデルにしてるのでしょうが、そこに1つも新堂らしさがないということが問題だ。
新堂であるならば、お受験ママの苛めはもっと陰惨でなければならないし、のぶ子の夫はもっともっと卑屈で小心者で自己保身欲が強いダメ男でなければならないし、のぶ子の心の闇はもっともっともっとドロドロとドス黒く、のぶ子の狂気はもっともっとっもっともーっと変態チックでなければならないのです。そうでなければ新堂冬樹を読む意味がないのです。
そして新堂愛読者にとってお受験なんてものは異次元の話だということに気がつかなかったことが敗因です。