牧村 泉『ストーミーマンディ』

ストーミーマンディ

ストーミーマンディ

5歳のときに母を、11歳のときに姉を殺した倉田諒子は、ミチルという家出少女と出会う。奇妙な悪戯電話を気にしていた矢先のことだったので、諒子はミチルを家に泊める。そして雨の夜、銃声が響き血が流れる。それは最悪の日々の始まりだった。

人生を転がるように落ちてゆく女の物語。好きなタイプの話なんだけど、主人公が女だからかなぁ、物語がジメジメしてる。こういう話って、そんなつもりじゃなかったのに、気がついたらこんなことになっちゃって、なんて馬鹿な主人公なんだって同情しつつも笑っちゃうとこがよかったりするんだけど、これは全然笑えない。登場人物みんな心病んでるんだもん。そりゃーちょっと特殊というか悲惨な環境かもしれないけどさ、違う考え方や生き方だってやろうと思えばできるかもしれないのに、自分から進んで逃げ場の無い道選んでんだもん。それならそれで、その道突き詰めてくれるならそれはそれでいいけれど、都合よく自己満足で終わっちゃってて尻つぼみ。
まだ2作しか読んでないんですけど、この人って普通に拳銃出しちゃうよな。非力な人間的には便利アイテムだけどさ、そうそう拳銃って手に入んないと思うんだけど。