デニス・ルヘイン『穢れしものに祝福を』

穢れしものに祝福を (角川文庫)

穢れしものに祝福を (角川文庫)

パトリック+アンジーシリーズ第三作。妻を強盗に殺され、自らも余命半年足らずという大富豪の失踪した娘を探してくれという依頼を受けた二人。そこに絡む謎のカルト集団。そして二人より先に依頼を受け捜索の途中で失踪したパトリックの師匠であり友人でもある探偵の行方は?舞台がいつものサウス・ボストンではなく、フロリダ州タンパであり、おなじみのブッバやデヴィンの出番は少なめ。これまでパトリックとアンジーの距離感がよかったと思っているので、この展開はイヤ。それにカルト集団の扱いも雑。序盤の洗脳の件は日本もアメリカも変わんないんだーと思いつつ、カルト集団と戦う二人っていうのを期待していたのに。アクションもどんどん派手になっていてそれはそれでいいけど、ちょっと不死身すぎるような・・・。三作目にして絶賛気分はトーンダウン。多分ブッバが好きなんだな、私は。だからなんとなく物足りないんだ。まぁ、シリーズものでは気に入らない作品が一つぐらいあるものですよね。それにしても一作目はそうでもないけど、二作目、三作目とタイトルにも意味があるんだ!と今更気が付きました。