井上 尚登『キャピタルダンス』

ネットベンチャーのお話。主人公は通称「ビル・ゲイツを振った女」日本生まれの中国系、林青。発行は約2年前で、描かれているIT業界の話は少し古いのだろうと思う。実際にこういう世界に身をおいたことはないけれども、ベンチャー企業、若くて優秀な人達が集まって新しいものを創造していく熱気というものは想像できる。ただベンチャー企業が紆余曲折しながらも大きくなっていくという成功譚というだけでなく、そこに企業買収や株式上場などの要素が加わり、幾重にも罠が張り巡らされていて、一体誰が敵なのか?そして味方なのか?といった感じ。
織田裕二でおなじみ「TRY」の作家さんです。この業界の人が読んだら、別の感想というか不満も出てきたりするのでしょうが、私は十分満足。少なくとも少しはパソコンを触っているので、話の中ででてくる企業も、あー○○がモデルだなって思いついたりして、そういう意味でも面白く読みました。そんなに魅力的に描かれているとは思わないけど、主人公が女性というところも高ポイント。あと犬。女性起業家ってやっぱりあこがれるし、頑張らないとなぁとか思いました。途中から、株の話が重要になってくるんですけど(乗っ取る為にはあと何パーセントの株を保有すればいいのか、とか)やっぱり、おもしろそうなんだよな、株。本の中で、メインの企業はすばらしい検索エンジンを開発していて、実際使っているユーザーに株を買ってもらいたい、とかってのがあるんですが、そういう考え方っていいなぁと思いました。最初は身近なところから入れば案外分るようになるのも早いのだろうか・・・。ということで途中からは株式市場に俄然興味が湧いてしまったわけですが、それにはお金が必要なのでした。
ん〜しばらく無理!