- 作者: 竹内真
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2016/03/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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小説の中で為される町おこしや新規事業って現実味があってもなくてもワクワクするものなんだけど、この作品にそういうものはなかった。
先祖がホラ吹きであることをある種の誇りというか自慢かな?にしている洞山家の青年が、法事の場で何の気なしについたホラに親戚一同から喰いつかれ引っ込みがつかなくなってそのホラを現実にすべくベンチャー企業設立に乗り出すってな話で、この作品の特徴として主人公の行動と並行して洞山家に伝わるホラ伝説が語られるんだけど、この伝説パートの面白さに比べると現代パートにその面白さが投影されてないんだよなぁ。熱量もそんなに感じないし。
主人公をベンチャーの道に引き入れる友人や主人公が片思いしてる女性、それから主人公の会社で開発を担う技術者たちはなかなか計算高いのに対して主人公の叔父や大学時代の教授とか起業とは直接関わらない人物たちは“いいおじさん”で、その間にいるのが主人公という構図もなかなか面白いのに、肝心の「ホラベンチャー」パートが退屈なのは残念。