大上と日岡の孤狼の血シリーズ完結作。購入したのは結構前だけど温存しておいて新年一発目はこれにするって決めてました。
え?これで「完結」なの・・・?。
というのが読み終わった直後にまず思ったことでした。
シャブ中の父親を殺し、愚連隊、今でいう半グレ組織を率いて暴力団の米櫃に容赦なく手を突っ込みまくる「沖虎彦」の暴走を、大上と日岡は抑えることができるのか?という物語で、前半は大上の時代(昭和)、後半は大上の死後、歳を重ねて大上と同じ呉原東署に勤務する日岡の時代(平成)として描かれるのですが(時系列としてはこの作品のガミさんパート→孤狼の血→凶犬の眼→この作品の日岡パート)、このあまりにも強烈な、あのガミさんがマトモに思えるほどに苛烈な「沖ちゃん」の物語においてガミさんも日岡も脇役・・・とはさすがにいかないけど、「主役」ではないわけですよ。それなのにこれで完結とか、え?マジで・・・?と呆然としてしまったけれど、でもガミさんの物語は終わってしまっているわけで、日岡がその魂と手法をしっかりと受け継いでいるわけで、もはやこれ以上描くことはないのかもなーと今は思う。
ガミさんが「パナマ帽」を愛用してる理由というか、その「始まりの瞬間」がこの作品では描かれているのですが、なんかもう、それだけで充分だと。
最っっっ高に血生臭い、そして男臭いシリーズでした。この三部作を読むことができて幸せ。
今年もいい本に出会いたい。