輪渡 颯介『怪談飯屋古狸』

怪談飯屋古狸

怪談飯屋古狸

  • 作者:輪渡 颯介
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/10/17
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


訳あって現在は日傭取りの仕事で糊口を凌いでいる虎太は当座の資金を借りるべく同郷の先輩を訪ねる道中、とある店先で看板娘のお悌ちゃんに恋をした。ちょっと変わった形式のその店「古狸」では幽霊・怪談話をすれば食事代がタダになるという。生来の怖がりである虎太だが成り行きで話を聞かされたうえにお悌ちゃんにいいとこ見せたさで話の中に出てくる長屋で一晩すごす羽目になり・・・ってな感じで始まった新シリーズです。

そもそもが“幽霊”が絡む話なので人の死が前提となるわけですが、四人の少年による溝猫長屋シリーズとは違いこちらは大人(と呼ぶのはまだ早い感じだけど)が主人公なので幽霊の背景は容赦ないものになりそう。
怪談好きが好奇心で幽霊話に首を突っ込むとかでなく、行方不明となっている「古狸」の主である三兄妹の父親を捜すという目的であり理由がしっかりあることもあり、溝猫長屋シリーズよりも主人公の扱い(被害)含めハードめな印象なんで、これからどんなシリーズになっていくのか楽しみ!。