輪渡 颯介『別れの霊祠 溝猫長屋 祠之怪』

別れの霊祠 溝猫長屋 祠之怪

別れの霊祠 溝猫長屋 祠之怪

このシリーズもついに終わってしまった・・・。前作でお多恵ちゃんの事件にケリがつき、残すは「ちんこ切りの竜」の通り名バレぐらいしか要素としては残ってないもんで、皆塵堂シリーズとは違い今回は心の準備があったけど、やっぱりさみしい。
だっていきなり4人組がそれぞれ奉公先に行くってんでバラバラになるわ、(読者へなんの挨拶もなく)蓮十郎はいなくなってるわ、なにより野良太郎が行方知れずだってんでテンションだだ下がりですわ。おまけに猫たちも数匹が名付け親のところへもらわれていき、お紺ちゃんには縁談話がありと溝猫長屋がなんともうら寂しい感じになってしまっていて、いつまでもこんな時間は続かないとわかっていてもやっぱりやっぱりさみしくて・・・
ってのは結構早い段階でどこかへ行ってしまった(笑)。だってぜんぜんいつもと変わらないんだもん。変わったことと言えば4人が一緒に行動していないってだけで、物語のなかでは4人はしっかりつながってるだもん。心の話ではなく文字通り「つながってる」。そしてそこにはやっぱりお多恵ちゃんの意志が働いている・・・・のかもね?ってなことで、結局4人は長屋に戻り(戻され)、猫たちも戻ってきてしまい、それどころか仔猫が増え、さらにさらに野良太郎が帰ってきて!しかも嫁を連れてきた!!ってんで超大団円に大満足。
さらに頭おかしくなった(笑)蓮十郎の活躍もしっかりあったし、最後に残った「ちんこ切りの竜」バレもお紺ちゃんの前でそう呼ばれるという悲惨なバレ方(笑)だったし、ついでに「玉潰しの杢」という新キャラまで登場して笑ったわー。
輪渡さんの新しいシリーズが楽しみです!。