『シャーロック』第2話

あ、謎空間でのバイオリンはシンキングタイムとして毎回あるんですね。意味はわかりませんがやりたい気持ちはわかるのでやってもいいけどバンク状態じゃあ面白くもなんともないのでやるならもっと趣向を凝らしていただきたい。方向性としては医龍の朝田龍太郎のオペシミュレーションで。

で、兄貴が犯した罪のせいで人生ズタボロになった妹が菅野美穂により別人の戸籍を手に入れたものの元の戸籍の女が不倫をやらかしてたもんで結婚相手に嫌われてしまいましたってところまではわかる。でも岸井ゆきのによれば妹は前向きに生きようとしてたわけでしょ?自殺なんかしてないっていうならじゃあなんで死んだの?。ほんとは自殺だったけど菅野さんの気持ちを慮ってゆきのが嘘をつき、菅野さんはそれを解った上でこれからのゆきのの「気持ち」を考え露悪的な物言いをし、おディーン様はそれを見抜いているだろうこともわかってるからパトカーに乗り込む寸前不敵な笑みを浮かべた・・・ってことじゃあないよねえ?。そういうことならおディーン様はともかく菅野美穂岸井ゆきのなら「そういう演技」をしただろうから。
最後の笑みだけみれば妹も菅野さんが殺したと判断できそうなもんだけど、あの日事務所に来たことを知らなかったのはほんとうだろうから、であればそのあと殺したってのは考えにくいし(そうならばそれらしき描写を入れなきゃミステリとしてはダメでしょ)、ゆきのの言うことが本当なら妹を殺す理由がないよねえ。妹は別に戸籍の顧客というわけではなく別の人生を先生が与えてくれたと思ってるわけで、戸籍の持ち主がどんなことをしてようが文句なんて言わないだろうし。だからまあ結局のところ妹の死因がなんであろうが菅野さんにとっちゃ「どうでもいいこと」だってことかな。

菅野美穂がアイリーンであるならばこの曖昧な結末もあえてのことでしょうが、でもそうなんだとしたら不倫クズ女に「偽善者」「偽物」と言われて涙目になったりなんかせず無表情で殺すんじゃないかと思うし、なによりアイリーン菅野美穂を再登場させて劇的な話を作れるとは思えないわけで、菅野美穂岸井ゆきのを揃えたことで却ってモヤモヤが残ることに・・・。

ていうか「先生に救われた」という共通点でもって仲良くなるのはいいんだけど「兄が両親を殺したことで人生終わり」と「買い物依存症が高じて自己破産」を一緒にするなよと。そこいらへんの図々しさというか、ふてぶてしさみたいなものは岸井ゆきのの演技から感じられはしたけど、この女が岩ちゃん若宮と友達以上恋人未満的な関係になるんだとしたらわたしはイヤですw。