『インハンド』最終話

死者の数も対処法が見つかるまでにかかった日数もドラマとして(ドラマだとしても)多すぎの長すぎで気持ちが全くついていかなかった。細かいツッコミどころはあれど8話まではほんとうに楽しく見ることができていたので、残念・・・というとちょっと違うんだけど、ツッコミどころのスケールであり質が違い過ぎてやっぱりこの言葉になっちゃうけど「ついていけなかった」。

ただでさえ手に余るネタを扱ってるのにこの上そんなものまで絡ませたらそれこそ収拾がつかなくなるだろうけど、米軍についてノータッチとかね・・・。米軍が開発したものを入谷という「日本人」が持ち出して(持ち帰って)、さらにそれを福山が秘匿し「日本」でウイルスを漏洩(意図的に感染)させたってんで米国は表向き我関せずで裏では日本国内で処理せよというお達しがあったりしたんだろうけど、これだけの犠牲者が出たら世界規模でニュースになるだろうし原因の解明だって国際問題レベルで求められるだろうに、元凶扱いの福山は病死し悪徳政治家と官僚の罪が(裏切り者の裏切りにより)暴かれて「ヨシッ!」ってそんな収束の仕方で済むわけねーだろ・・・と、何百人も死んでんねんで?(自業自得というか因果応報というか、平岡祐太がサクッと死んでてびっくりしたわ・・・)。

こんな話なら、むしろこんな話だからこそ紐倉教授が大活躍(変人っぷり大爆発)して「ねーよwww」って笑わせてほしかった。

そう。ラスト2話は紐倉教授の存在感がなかったんだよ。ラス前で「自分たちが蒔いた種」だとして村に残り自分のやるべきことをやると宣言した紐倉教授だけど、村に「いるだけ」でなんの役にも立ってなかったじゃん。高家が死線を越えたことで結果的にワクチンを作ることはできたけど、そこに紐倉教授の「天才」という設定が活かされなかったのが最終回としての盛り上がりに欠けた理由じゃないかな。入谷に続き高家と二度も「友人」を失うことになる紐倉教授の嘆きはそれはそれでたいへんよろしかったけど、わたしが最終回で見たかった紐倉教授はコレじゃないもの。

でも前回の感想でも書いたけどこんなの一個人がどうこうできるレベルの話じゃないわけで、だからやっぱり話のスケールをデカくしすぎたんだよね。

それを踏まえたうえで、「母ちゃんの漬物」が「マジ奇跡」でしたという落としどころはドラマとして悪くなかったと思います。わたしは高家の幼馴染が妊娠してるという設定が奇跡を起こすためのものだと予想してましたが、そっちは(封鎖されている時間の長さを描きつつ)「死」に対する「生」、「絶望」的な状況のなかでの「希望」としてのものだったことも。

紐倉・高家・牧野は最後まで気持ちのいいトリオっぷりだったし、サモンさんもお元気そうだったのでトータルとして楽しめたドラマでした。P様がハマリ役に出会えたことがなにより嬉しい。