『TENTH』@シアタークリエ

7日の公演を観ました。
まずはクリエがまだ出来て10年であることに驚いたことを書き残しておきたい。私にとってクリエと言えば「CLUB SEVEN」であり「宝塚BOYS」であり、最近だと「RADIANT BABY」であり「ジャージー・ボーイズ」のイメージですが(ガウチ率高いな!!)、一番思い出深いのはQuestion?のライブだったりするんですよね。自分の感想で確認したら2011年の公演でしたが、楽しいと幸せしかなかったことを今でもしっかり覚えてる。今となってはそこに痛みと切なさも加わってるけど。あれが“まだ”なのか“もう”なのか自分では判断できないのだけど、6年前のことなのか。しみじみしちゃうな。あ、この流れで思い出したけど「ガイズ&ドールズ」で自担のキスシーンをトータルで40回ぐらい見たんだw。
それから大切で大好きな友人を喪った記憶もクリエと結びついていたりするので(その時クリエで上演されていた作品に通うつもりだった)、これだけいろんな思いと繋がっている劇場がまだ10周年なんだなーと、それだけわたし好みの作品を多く上演してくれる劇場である(だから入場回数としてはたぶんすごく多い)ということだろう。ありがとうシアタークリエ、これからもよろしくシアタークリエ。

というわけで、わたしのメインは2部に登場するジャージー・ボーイズチームでしたが、ダイジェストとはいえ1部の「ネクスト・トゥ・ノーマル」のキリキリ感に魂ぎゅっと掴まれました。ダイジェストだったから、と言っていいのだろうか、たった6人の出演者が90分もの間ノンストップでたたみかけるように歌い叫び狂うので、まさに息をつく暇もないといった感じでした。

なかでも目と耳を惹きつけられたのは海宝直人さん。海宝くんがゲイブを演じるのは今回が初めてとのことですが、いやあ・・・めっちゃ『柱』でした。あらゆる意味でこの舞台の中心だった。こういう激しい曲調を歌う海宝くんも、こういう得体の知れない役を演じる海宝くんも、わたしは見たことがなかったので結構衝撃だったし、ゲイブがどんな存在なのかが明らかになった瞬間超納得させられたんですよね。それまでずっと抱え続けていた違和感の正体がなんであったのか、海宝くんの動きと表情、とくに視線というか目の表現が「そういうことだったのかー!」と驚きとともにものすごい納得&説得力として理解できて、いやはや海宝直人、恐ろしい子・・・っ!となりましたわー。

歌ももちろんすごかった。上手いって知ってるけどマジ巧かった。同じく今回が初めてだという岡田さんの歌唱面の不安定さであり弱さを支え担ぎ上げるような歌声で、岡田さんのみならず誰が相手でも海宝くんが歌声を添わせた瞬間曲がギュッと締まってブワッとひろがるんだよね。
圧巻のソロナンバーはただただ聞き惚れるしかなかったんだけど、と同時に頭の片隅でわたしはずっと海宝くんに尾崎豊を歌って欲しいと、海宝くんが歌う尾崎の曲を聴きたいと思っていました。ほんと唐突にそう思ってしまって、自分でもどこから尾崎豊が出てきたのかわからなかったんだけど(海宝くんの衣装が胸襟が浮き出るほどのぴったりTシャツにスリムデニムだったからそんなことを思いついたのかなぁ?)、それこそジャージー・ボーイズみたいな感じで尾崎豊の人生をジュークボックスミュージカルにしてそれを海宝くんに演じて欲しいなーとか思ってしまってさあ大変(脳内が)。これまでわたしが見知ってた海宝くんはナイーブさと知性はあっても色気と狂気はなくて、だけどネクスト・トゥ・ノーマルで見た海宝くんはむしろ色気と狂気の固まりで、そんなつもりは毛頭なかったけどそれでも「わたしは海宝直人を侮ってましたほんとすんませんでしたー!」とDOGEZA。新年早々全力DOGEZA。これからは金銭面が許す限り海宝直人を見たいと、見ねばならないと誓った次第です。

ところで『みんな大好き新納慎也』さんって元旦に放送された時代劇のために頭剃ったってな話じゃなかったでしたっけ?。撮影時期がいつごろで今頭髪がどんな状態なのかわかりませんが・・・と思ってブログで確認したら高校球児のようなあたまをされておった・・・んだけど、てことはドクター・マッデンとして舞台に立ってた新納さんの頭はヅラだった、ということになるのでしょうが、まったくもって違和感皆無、地毛にしか見えなかった(どころか観劇したあとで風雲児たちを見たので、そのとき初めて「あれ?ニーロさんってヅラだったん・・・?」と気づいた)。ヅラ技術が進化しているのか、それとも新納慎也が特殊すぎるのか。願わくば前者で、それがアンジョルラスのヅラにも生かされますように(そこに繋げるかw)。

お目当てのジャージー・ボーイズは、わたしが見た回はアッキーと海宝くんと彼方とSpiさんがご出演でして、つまり半分が新キャストだったわけですが、正直・・・・・・イマサンぐらいでした。TENTHに出るための歌唱練習しかしてない状態でしょうからまだまだであろうことを差し引いても相当頑張ってくれないと(気持ち的に)厳しいのではないかなーと。まぁJBはミュージカルでありながら歌よりも芝居というか、4人で「フォーシーズンズ」としての関係性だったり雰囲気だったり距離感だったり、そういったものをどう作るかということが重要だと思うのでそれについては期待するしかないってか期待する!!!だけど、初演時よりもハードルは相当上がってることを考えるとちょっと不安になってしまった。

そんな気分を吹き飛ばしてくれたのはやはり『みんな大好き新納慎也』さんでした!!!!!。トークも歌も踊りも適度で適切に最高すぎて、だから『みんな大好き新納慎也』なのよねw。BWで観て惚れ込んだ曲を歌えると思って喜んでたのにそのあと舞台の進行を妨げるからと曲ごとカットされてしまったものの作曲家に直談判して「世界でこの歌を唄う許可を貰ってるのは僕だけ」という「Feeling Electric」(ネクスト・トゥ・ノーマル)もよかったけど、彩吹真央さんとのトークからの「サタデー・ナイト・イン・ザ・シティ」(ウエディング・シンガー)がキレッキレすぎてテンションぶちあがりまくり!(もっとヒューヒュー言いたかったー!)さすが『職業カマ歴19年』!!(笑)。
からのアッキースヌーピーのサパー・タイムまでだいまんぞくの10周年記念公演でした。あーやっぱりYGCBチームの回も見たいし芳雄さんのハーレム回も見たいよー!!。