『おんな城主 直虎』第28回「死の帳面」

28話中最も面白かった。とても面白い大河ドラマだった。
あの状態あの状況であんな夢を見ておきながらまたもや戻ってきたおばば様の生命力にもビックリしたけど、そのおばば様による「死の帳面」に書かれた井伊次郎直虎の名に朱色の「×」が記されていることがわかった瞬間の衝撃たるや!!。憶えが悪くなって様々書きつけてるっつってたのデスノートかよおおおおおおおおおお!!!!!ってな!!。
「死の帳面」という副題であることを知ったときはさすがにおふざけがすぎるのではないかと思ったもんですが、まさかの神回でしたわ。
直虎が自分の娘だったならよかったのにってのは偽りのない本心なのよね。娘であったならば直虎を信用できるし頼りにもできるけど、そうではないから血の繋がった孫である氏真を、今川を裏切るかもしれないことを、直親への仕打ちに対する反応をみて自分と考え方が似ているからこそその可能性を否定できず、ゆえに粛清せねばならないという凄まじい流れに痺れたわー。
ついに登場したマツケン信玄が「化け物か!?あの婆」と暴言吐いてたけど、この年齢この身体でありながらこの鬼気迫る活躍っぷりを見てしまうとその発言に同意せざるを得ない。
そしてこんなことがあったとわかった今、白塗りdeアホ踊りしたくなる氏真の気持ちが良く分かるというか、心の底から同情しちゃう。
このクッソ面白すぎた神回のど真ん中にいたのはもちろん浅丘ルリ子演じる寿桂尼ですが、氏真の成長回でもあった。
氏真はさ、真正の馬鹿というわけじゃないんだよね。自分には父上やおばば様のような能力がないという自覚はあるのよ。自分のことはちゃんとわかってる。でも「能力がない」で止まっちゃうんだよね。自分は無能だと言う自覚はあるけどさりとてどうすることもできなくて、どうしようもないまんまで今に至ってる。今川が今危うい状況に陥りつつあるなかでおばば様の驚異的な行動力交渉力そして影響力を見せつけられ、自分はただ花押を押すだけの存在なんだと、自分に求められてるのはただそれだけなんだと、そうやっていじけることしかできない氏真が愚かで哀れでなぁ・・・。
なぜ氏真がふてくされてすねていじけてるのか、それは自分のせいであることを分かってはいるけれど、だからといって自分が動かねばならぬ(氏真では意味がない)わけで、身体とともに寿桂尼様の心にもどんどんとダメージが蓄積されていくのも見ているのが辛かった・・・。
そうしておばば様はついに再び倒れてしまい、嫁に説教喰らって半泣きの氏真がどうするのかと思ったら、おばば様を呼び戻すべく(それが無理ならあの世への道が華やかなものであればと願って)一心不乱に笙を吹くってもうさあ、ほんっとにボンボンここに極まれりって感じで泣いたわ・・・・・・。これが「今川」かと。これぞ「今川」だと。
そして氏真の想いが届いたのか(というよりやっぱりおばば様が化け物レベルなんだと思うけどw)戻ってきたおばば様。
かつてのまばゆい栄光の今川家時代の夢を見ながら逝かれるのだと思い込んでたんで、目を開けた瞬間はマジびっくりしたのはそれとしてw、
「ばばは、ただ取り戻したいだけなのです。光に満ちた、今川を。そなたと共に、今川のために」
「おばば様、龍王にお教えください。その為に、なにをなせばよいか」
ってこのときの顔!この決意を固めた氏真の顔!!。
なあ、この尾上松也いいだろ?いいよな??答えはきいてないッ!!!。
で、光に満ちた今川をおばば様とともに取り戻すべく氏真がなにをなすのかと思ったら・・・
粛清始まったーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!。
水野に死を宣告する氏真はこれ成長どころか覚醒しちゃったんじゃないの!?ていうかやだちょっとカッコいいっ!!!。
でも今川は間もなく没落することをわたしは知っているわけで・・・・・・。
ああ、わたし大河見てるわー!。