高里 椎奈『うちの執事が言うことには』

父親の引退に伴い日本が誇る名門烏丸家の当主となった18歳の眼鏡男子・花頴が留学先の英国から帰国したらそこにいたのは大好きな執事の鳳ではなく衣更月と名乗る22歳の青年だったという設定なので、この若き眼鏡当主と当主交代に伴いフットマンから“出世”した新人執事がギャーギャー言い合いながら日常の謎解きをする物語・・・かと思いきや、二人が老執事を取り合う物語であった(笑)。
鳳や先代当主(花頴父)にアドバイスやフォローをしてもらいつつ、衣更月は鳳さんに認めてもらえる執事になるために花頴は衣更月に当主と認めさせるために、共に成長していく・・・というのが柱であることは解るんだけど、横軸となるちょっとした謎解きが面白くないんだよなぁ。巻き込まれ当主に有能な執事というありがちパターンでないのはいいんだけど、執事のポジショニングが中途半端すぎる。次は執事のターンになりそうな感じがするのでもう1冊は読んでみようと思うけど。