さいっっっこうにくだらなかった。シアタークリエに地球侵略を目論む宇宙人が紛れ込み、劇場案内係から始まって舞台上の出演女優に演出家と次々とその身体を乗っ取り、その頃劇場の外では宇宙人による侵略が行われ日比谷界隈のみならず世界大パニックで、でも舞台は続行しなければならず、やがて照明スタッフが宇宙人の弱点に気付き、世界を救うべく裏方スタッフが立ち上がる!!・・・というバカだろ(笑)としか言いようがない話なんだけど、くだらないことに全力投球なんで頭空っぽにして観られたし、何度見ても思いっきり笑えたし、毎回毎回「あー楽しかったー!」と思えた。大千秋楽はカテコ4回のスタオベだったんだけど、周りが立ってるからとかなんとなくそういう雰囲気だからではなく、もう心からのスタンディングオベーションを送りたい!って、こんなにも気持ちよく拍手を送れたのってわたしの観劇史で数えるほどしかないんじゃないかって、それぐらい面白い舞台でした。ほんっとくだらなかったけど(笑)。
でもこれ、徹頭徹尾荒唐無稽の馬鹿話だけど、ものすっごく計算されてると思うのよね。ハチャメチャドタバタ舞台だけど終わってみれば無駄なものがないってわかるもん。アドリブは別として、『笑わせるだけのシーン(設定であり展開)』が一切ないの。全部にちゃんと意味がある。だから何度見ても飽きないの。何度見ても面白いの。宇宙人による地球侵略という超絶有事を舞台の裏方スタッフが救う(宇宙人VS相葉っちとタッくんを動画サイトで流しそれを見た各国の照明スタッフ(民間人)が立ち上がり次々を宇宙人(UFO)を射抜き落とす)という展開(騒動の収拾の仕方)がびっくりするほど無理がなくってかこんなアホ話を無理なくやれちゃうことにビックリだし、宇宙人がクリエに現れたのも皇居(日本のトップ)を目指してやってきた日本担当宇宙人だからと聞けば位置関係として理解できるし、そんなドジっ子宇宙人だと思えば舞台上の俳優と女優をアメリカ大統領とその夫人だと宇宙人が勘違いするのも納得だしw、娘道成寺の鐘の使い方は見事としか言いようがないし、劇中劇のラストシーンなんて砂羽さんと近江谷さんの熱演もあって最終的に感動すらしましたからね(笑)。
楽カテコで「次は帝国劇場で」と言われてイヤイヤイヤイヤって海老のように尻込みしつつ「クリエがいいです^^」というイケテツでしたがw、これまさに『ショー・マスト・ゴー・オン』ですよ!。そんじょそこいらの“何があっても”じゃないのよ!?“宇宙人による地球侵略”なのよ!?“劇場という閉鎖空間内に人間を乗っ取る宇宙人がいる”のよ!?。それなのに誰一人その場から逃げ出そうとしない(状況を認識してないからだけどw)し、舞台も最後まで演り遂げる。これぞショー・マスト・ゴー・オンじゃないか!!・・・なんてことを思ったりw。
いやはやイケテツ天才。まじで奇才で鬼才。
つーかここで娘道成寺の鐘を使うって発想すごいよね。おそらくホワイトハウスの執務室にでっかい鐘が落ちてきたら面白いよねー的なアホ話が元なのでしょうがw、裏方スタッフの物語であることと合わせてこのアイディアは感心しきり。
紅一点であるガキさん(砂羽さんもいるけど砂羽さんは全キャストの中でぶっちぎりで一番カッコいいので確実に兄貴枠!!)のメイド服もちゃんと必要な流れの中でのことだし、タッくんの女装(わたしが見た舞台2/3ぐらいの割合でタッくん女装してる気がするんだけどなんなん?w作り手が女装させたいと思うタイプなん?w)も女装して出てきた瞬間こそ「またかw」と思ったものの“「梶」というキャラの女装”としてちゃんと意味のある女装だし、両方しっかり笑いに繋がってるから単なるサービスシーンじゃないんだよね。“こういうの見せりゃ喜ぶんだろ?”ってな目線じゃないのよ。
何度も書くけど超バカ話でありながらも展開に無理がなく、総勢9人の登場人物はこれぞ適材適所というか、全員ちゃんと見せ場があって全員が魅力的なんですよね。キャラとしても役者としても。
(あーでも役者・池田鉄洋としてはやや不満かも。事なかれ主義の日和見演出家としての役割はキッチリ果たしているけれど、イケテツならばもっと肉付けできるだろうとは思ったかなー。おっさん顔の激情案内係はさすがだったけどw)
そしてわたしのお目当てである相葉っちとタッくんが最高に可愛くてカッコいい!!!。ポンポン持って砂羽さんのバックで踊るタッくん超可愛いし(相葉っちは言わずもがなw)、ほんの短い時間とはいえシンメでガシガシダンス踊るし、ていうかタッくんと相葉っちがラップで絡んだりもするんだよおおおおおおおおお!(まぁこれはサービスシーンだろうけどw)。
ていうかていうか、まさかこの舞台でマント翻し懐中電灯でガチ殺陣する相葉っちに同じくマントを装着しドライバー銃を撃つタッくんなんてものが拝めるだなんて思ってもみませんでしたからね!。このバトルシーンは下手したら(へたしたら?w)これまでにわたしが見た舞台上の二人史上一番キマッてたと言っても過言じゃないぐらい!。ていうか客席真ん中通路で戦うシーンなんて(一部ギャグ入るけど)Gロッソを思いだしたほどキメッキメで、ああ、あれがあって今の相葉っちがあるんだなーって、これまでの経験が相葉っちのなかでちゃんと蓄積されてるんだなーって、そんなことを思ってしまってちょっと泣きそうになった回とかあったもんw。
で、それもこれも全て作・演出である池田鉄洋の手腕によるものなんですよね。イケテツが相葉っちとタッくんの魅力をそのまんま素直に全部引きだしてくれた。
こんなにナチュラルにチャラカッコいいタッくん久々だし(インザハイツのタッくんもカッコよかったけどあれは“作ってる感”バリバリのカッコよさだし)、ボケ役を振られがちの相葉っちだけど中間管理職であり唯一のツッコミ役もけっこうイケるじゃん!だったし、なによりイケテツがちゃんと二人をイケメン俳優ではなく役者として見てくれてるのが解るんだよね。そういう演出家と二人が出会えたこと。一緒に作品を作ることができたこと。それがとても嬉しい。
「2」の話があるようなないような・・・ってなニュアンスでしたが(砂羽さんは「絶対やだ!」って言い切ってたけどw)、ぜひまたこのメンバーによるバカ舞台が見たい!。