遠藤 武文『原罪』

原罪

原罪

雪中酒を造るための雪室から棺が発見され、中には肋骨を避け心臓を一突きしている遺体があった。という始まりこそ猟奇的というか、装飾された感じが今風ではありますが、それとは一見なんの関わりのなさそうな大学生の話と、臓器移植、そしてテニアンの戦いと、時を越え様々な要素がどんどんと結びつき、そして最終的に辿りついた真実に圧倒されました。哀しく美しいラストカットまで読み応え充分。