北國 浩二『ペルソナの鎖』

ペルソナの鎖

ペルソナの鎖

ペルソナ(仮面)というタイトルですから“そう”と見える人物ではなく“そう”は見えない人物こそがペルソナを付けた真犯人である・・・ってな展開になるであろうことは予想がつきますが、ぞれにしてもこの人はなかった!。なんでそう思わせられたのかわからないけれど全くもってノーマークだったんで本気で驚きました。あの過去でなぜこういう人間になる!?と。でも主人公による真相解明は納得だった。歪みに歪みきってるから納得できちゃうのはそれはそれでどうかとは思うし、気持ちとしては納得も理解もしたくはないけれど、でもこの連鎖は理解できる。
だからそう理解した先のラストシーンも「希望」とか「救い」とか、単純にそうとは受け止められないよなーと。だってこの主人公もマトモじゃないもん。その後味まで含め、好みの作品でした。