西澤 保彦『ぬいぐるみ警部の帰還』

ぬいぐるみ警部の帰還

ぬいぐるみ警部の帰還

相変わらず女に容赦ねええええええええええええええ!!(笑)。
“ぬいぐるみをこよなく愛する容姿端麗のキャリア警部”が登場する作品ですから当然作中で『ぬいぐるみ』が鍵となるわけで、となれば事件に関わる人物が男性よりも女性の方が割合的に多くなるのはまぁ必然かなーと思うんだけど、加害者・被害者関係なく女の描写が男のソレと比べて総じて厳しい(笑)。そして謎解きは安定の端正かつエグさ。
「探偵役」に所謂キャラ付するのは国内のみならず海外作品でも昔からなされてきたことで、ミステリーでもハードボイルドでもトリック(内容)と同じぐらいいかに魅力的なキャラであるか、ということが作品選びの基準となってきたわけですが、それが昨今は執事やお嬢様、それからツンデレだのSだのMだのといった属性を与えることで言い方悪いけど誤魔化してる作品が多くて、時代というものを考えてもそういう風潮ってなんていうか・・・安易だなぁ・・・と思ったりするのですが、西澤さんは「腕貫」とか「ぬいぐるみ」といったアイテムによってキャラに強烈な印象付けをしていて、そこいらへんのさじ加減というかセレクトがとても上手いと思う。