海堂 尊『マドンナ・ヴェルデ』

マドンナ・ヴェルデ

マドンナ・ヴェルデ

読みながら何度もあれ?これ前にも読んだっけ・・・?でも最近刊行されたはずなんだけど・・・と思い続けていたのですが、位置付けとしては「ジーン・ワルツ」と対であり、同じ話を “クール・ウィッチ”と呼ばれる曾根崎理恵目線(正確には理恵の母親の目線だけど)で描いたものなんですね。
・・・・・・ということに読み終わってようやく気づきました。私どれだけ適当に読んでいるのかと・・・・・・。
確かジーン・ワルツは“出産”というものに対する女の並々ならぬ執念ってすごいなと思った印象が残っているのですが、当の母親となる女性の目線で描かれた今作は逆にそういう執念みたいなものがさほど感じられなかったのが面白いというか、あー、やっぱり男(の著者)にはそこまでは描けないんだなーってとこが興味深い。
目線の違いと言えば、ジーン・ワルツではさほどでもなかった(そこまでとは感じなかった)清川先生が大層イケメン扱いされてることは素直に面白かったです(笑)。理恵と母親のみどりがやらかしたことを清川先生が知ったらどれほど衝撃を受けるのかと思うとちょっと楽しみです。・・・と書いてて思った。清川先生のことだからさして衝撃受けないかもな。