誉田 哲也『ハング』

ハング

ハング

人死にすぎ。嫌いじゃないけど。キッカケというか発端となった事件はニュースで流れても次の日には忘れてしまいそうなものなのですが、そこから日本中を動かす事件に発展する展開力はさすが誉田さんという感じ。 “普通の刑事”たちが権力によって理不尽な目に遭わされ、そこからあれよあれよという間にはみだし刑事になるわけですが、主人公の相棒にあたる人物の設定というか能力がちょっと都合よすぎ(半年やそこいらでどれほど人脈作ってるのかと)だなとは思うものの、徐々に事件の背後にあるものが見えてくる流れはテンポよくて引き込まれましたが、最後の最後で明かされる黒幕の目的があまりにも現実的すぎて一気に目が覚めました・・・。つまらなくなったという意味ではなく、いきなり空気が変わったという意味で。