真梨 幸子『パリ黙示録 1768 娼婦ジャンヌ・テスタル殺人事件』

パリ黙示録 1768 娼婦ジャンヌ・テスタル殺人事件

パリ黙示録 1768 娼婦ジャンヌ・テスタル殺人事件

サド侯爵という実在の人物を真梨さん流に描いた物語かと思いきや、サド公爵のあれやこれやの“もみ消し役”である主人公の警部とその助手を務める種違いの美形弟の複雑な兄弟愛の物語で、そこに所謂“黒幕”が絡む真相のカタルシスたるや奮えが止まりませんでした。残虐で猥雑で淫靡で、だけと甘美で、だから覗き見するのを止められない・・・そんな感じ。