羽田 圭介『不思議の国のペニス』

不思議の国のペニス

不思議の国のペニス

大学附属高校に通う高校1年の遠藤は、自らを“エロセレブ”と称し、仲間たちの前で下ネタで笑いを取る日々を過ごしている。学祭でナンパした2つ上の女と、ひょんなことからSMならぬSSプレイをする関係を続けているが、未挿入。遠藤としては特に理由は思いつかないのに、最近よそよそしくなった彼女の気持ちを再び引き寄せるため、遠藤の仲間たちはある計画を実行する。


中学も高校も共学に通っていた私としては、なんてガキなんだこいつらは・・・と呆れ半分苦笑い半分という感じ。男子が皮が剥けてる剥けてないで大騒ぎしてる頃、女子は援交とかしてるわけですよ。男ってバカよね。前作の「黒冷水」を読んだ時も思いましたが、やっぱりこの作者は変態ですね。変態というか普通じゃない。前半は戸梶風のバカ小説+小川勝巳バリの粘着変態小説っぽいのに、途中から金城一紀青春学園爽やかバカ小説になるんですよ。おかしい、この流れ絶対おかしいって。そしてそのまま行けば甘酸っぱい、大人の階段昇るラストを迎えられそうなのに、さらにそこでまた展開しちゃうのですよ。それも斜め後に。このねじれよじれっぷりは並じゃない。
前作から大分時間が経過してるし、この人はこのまま消えてしまうのだろうか・・・と思ったこともあったので、2作目を出してくれて素直に嬉しいです。ここのところ新しい純正変態作家が出てこないなーと寂しく感じていたので、これからばんばんド変態小説を書いてくれることを期待します。