- 作者: 大崎梢
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2006/05/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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一言で言うと、ぬるい。単なる書店の姉ちゃん二人が解ける程度の日常に転がる些細な謎なのはいいとして、主役の二人が全然よくない。探偵役の多絵が「勘」で動いてるってのがどうもなぁ。そもそも“本格書店ミステリ”をどこで区切るべきなのか。“本格”書店ミステリ?それとも“本格書店”ミステリだろうか。後者だったら確かにここまで書店員の仕事をグダグダ書いた小説は読んだことがないので、納得できなくもないんだけど、もし前者ならば、ちょっと待てという感じ。さて、どっちだろうか。
話に余計な色がつきすぎ。特に2篇目の「標野にて 君が袖振る」なんて何このメロドラマ?ってちょっと気持ち悪くなった程。甦りモノ・・・というわけではないけど、それに近いベチャベチャとしたものを感じました。ミステリに恋愛要素は不要です。
不要といえば、巻末に書店員による座談会が収録されているのですが、これが思いっきり不要。しかも無駄に長い。書店員が本の感想そっちのけで自分達の仕事がどれだけ大変か、ということを延々と喋ってるだけなんだもん。出版社の研修会に出てケーキを食べるタイミングが難しかったなんてマジでどうでもいい。この本のターゲットをどこに置いているのか知りませんが、少なくとも日常的に読書をしてる人、読書好きな人が読んでる率が圧倒的に高いと思うわけです。そういう人は書店員に本を訪ねる時に「タイトル名も著者名も不明」なんてありえないし、本を粗末に扱うこともないと思う。少なくとも1,500円の本を購入する人の中にはいないはず。それなのに、グダグダ文句や愚痴(ほんと愚痴のオンパレードですよ)を読まされると腹立ってくる。だったら読まなきゃいいんだけどさ、読んじゃったんだもん。この座談会も書籍代に含まれてるのかと思うとほんんと腹立つわ。これから読む人は読まないほうがいいと思います。
すっかり座談会の感想文になってしまいましたが、本編自体は、まぁ好きじゃないけど気軽に読めるし読み物としてはいいんじゃないですか?という感じ。