反自殺クラブ 池袋ウエストゲートパーク 5 (池袋ウエストゲートパーク (5))
- 作者: 石田衣良
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2005/03/10
- メディア: 単行本
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ストリートの今を鮮やかに切り取るってのがこのシリーズの売りですが、今作は暗い。取り扱うネタが暗すぎる。集団レイプに過剰な労働による過労死に集団自殺ですよ。2003年から2004年の前半に発表された作品たちなので、ちょっとばっかりネタ的には古めですが、どれもその時代を反映するネタなことは確かなわけで、つまりこの暗さは時代を反映しているということで、なんかヤな世の中になっちゃったよなぁ・・・なんて思ってしまった。
一つ前の『電子の星』から「真島誠はいる?」って店にやってきた見知らぬ人のトラブルを解決するってパターンになってきていて、そこへ様々な特技を持つシリーズキャラクターを適材適所で使いつつ、その時々で話題の事件と結びつけるという手法が確立されたな、と思う。マコトやタカシが今現在何歳ぐらいなのかはっきりしないのですが(季節は描かれているので考えれば分かると思うけど)、例えば誰かが結婚して、子供ができたなんて展開にならない限り、このパターンでもうしばらくは書き続けられるな。それは、新鮮味は全くなくなってしまったということでもあるんだけど。
それにしても、みんなどこでマコトの噂を聞いてくるんだろう。タイトル作は特に池袋という土地とは関係ない話だし、このままだと、はるばる埼玉からやってきましたとかいうことにもなりかねない気がするんだけど。要するに、キングもっと出せー!ってことが言いたいだけです。タカシファン。「スカウトマンズ・ブルース」でのタカシの「めんどくさいから、やっちゃおか」ってのは萌えるが、そこはかとなくTV版のキングエキスが入ってる気がしましたよ。