牧村 泉『幻痛』

幻痛(ファントムペイン)

幻痛(ファントムペイン)

第3回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞後1作。3年前、借金を抱え妻を捨てて失踪した男が女子高生と赤ちゃんを人質にして現在は廃屋となっているかつて妻と住んでいた家に立て篭もった。そして一発の銃声が事件を変える。加害者、被害者の家族の思いは。そんな感じ。全然ホラーじゃないです。タイトルの「幻痛(ファントムペイン)」は、切断された肉体の部位がすでに存在しないにもかかわらず今もなお存在しているかのように疼痛や痺れを感じること、ということですが、期待していたような種類のものではなくて、もっと概念的なものでした。登場人物が殆ど自分のことしか考えてないんで、あんまり楽しくない。なんか、思う存分考えてればいいんじゃない?ってイライラしちゃうし。つまり、鬼畜っぽいのかと思って読んだ私が悪かったんです。そういうこと。