- 作者: 石田衣良
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2003/11/25
- メディア: 単行本
- クリック: 13回
- この商品を含むブログ (71件) を見る
「東口ラーメンライン」・・・今じゃもう当たり前って感じのネットでの中傷が発端になっている事件。ヒロイン役の女の子にもイマドキな背景があって・・・ってことで、ほんっとによくあるお話。もう食傷気味。シリーズキャラのゼロワンがなんとなく普通になってきてるかなぁと思うのですが・・・。別に誰かが痛い思いをするわけでもないのでさわやかあっさり。
「ワルツ・フォー・ベビー」・・・ジャズタクシーの運転手をしてる今回の主役のおっさんがイイかな。自分の子供のことを想像し始めてるあたり、マコトも大人になっちゃったんだなぁと。話自体は好きじゃない。別に頭使うわけでもないし、何もIWGPである必要ないと思う。
「黒いフードの夜」・・・児童買春の背景にビルマの民主化運動と微妙なエッセンスが入っちゃってるわけですが、これが一番マコトの知恵が回ってるかなぁ。これにはラジオが出てます。あと吉岡刑事。解決策は何気にブラックだと。
「電子の星」・・・タイトル作でもあるし、メインの作品だと思いますが、これって前作の骨音と一緒。やってることは全く一緒だと思うんですけど。人体損壊DVDの謎を追うって帯にはありますが、別に謎でもなんでもなくね?これはサルがちょっとだけ出てます。
そんなところで、作中「なんだかストリートで頭の悪いガキがなぐりあったり、ナイフで刺しっこしていたころが遠い昔に思えた」ってマコト自身の言葉にある通り、あの最初のIWGPの高揚感ももう遠い昔なんだなぁってのが読了後すぐ思ったこと。『今』を書こうとしたら、肉体のぶつかり合いというか人と人との直接のつながりなんて必要ないのかもしれない。自分自身も歳とってるんだよなぁ・・・と痛切に思ったりして。
キングが全作品に登場するのは、やっぱ読者サービスですよね〜。キング萌え。