『親愛なる僕へ殺意をこめて』第8話

早乙女太一は愚かゆえに哀れな役がすこぶる似合うな。
風俗で働かされている女たちを「逃がす」のが八野衣真の役割で、逃がした先での諸々の手配は“協力者”が担い、その協力者こそが八野衣真の保護司である浦島亀一、エイジの養父であったってな話だけど、亀一がLLだと気づいた白菱凛の事件のほかにも「連続拷問殺人」は行われているわけで、それは当然報道されてるわけでしょ?。自分が逃がした女たちが次々と拷問殺人の被害者になってたら「なにかおかしい」ぐらいは思ってもよさそうなものだけど、ニュースなんて見ない生活を送ってたのだろうか。
だとしたらそういう意味での愚かさも加えて、なんにもわからないまま女刑事による買春を隠蔽するために焼き殺された哀れな男が実によく似合う。
そしてわたしはそんな早乙女太一がだいすきだ。なのでもういっかい翼の生えた背中を見せてくれないか。