『TOKYO MER~走る救急救命室~』第3話

医療従事者の人たちへの感謝がテーマというか、それがこの作品の根幹にあるのでしょうからMERをとにかく「カッコよく描く」ことそれ自体に対しては異存ないし、今回の警察が身体を張って作る文字通りの「盾」に守られながら負傷者の元へ手術室を持っていくというのはまさにMERならではの展開で、メイン舞台であるERカーを含めMERのヒーロー感ハンパなかったし、もはや戦隊のソレ(つまりわたしの好きなヤツ)だったんで立てこもり事件にまで出張るとかやりすぎだろと思った先週のわたしが愚かであったと謝るしかないけど、それ以外があまりにもテキトーでなぁ・・・。

妻が働いてる店に特攻するのにどんだけ銃弾用意してんだよと。あの精神状態で片手であれだけ命中させられるとか凄腕すぎんだろと。
警察も警察で人質(蔵前さん)を救出したのはいいけどバカ正直に道路を横切るもんだから撃たれてるし。
ていうかあれ?この時って犯人が元嫁の住み込み部屋を漁ってるときに突入して子供と蔵前さんを救出したんだよね?そんで蔵前さんをガードしてる警察官が撃たれたってな流れだと記憶してるけど、そこそこの人数で突入したのに子供を抱きかかえた隊員と撃たれた隊員以外の隊員は現場に入って出てきただけってことなのかw。


そんで唐突に“医療従事者差別”描写があって、なぜか幼稚園の教室で立てこもり事件のニュースが流れてて(教室内にテレビがあるのはいいし、テレビが点いてることもいいとして、ニュースだかワイドショーだかわからないけど子供が目にしちゃう時間にそんなものを流しておくなよ)、消そうとする先生を制止してすごい形相で画面を見つめる蔵前さんの娘・・・が次の瞬間子供も先生も保護者もみんな画面を注視してて、人質は保護され犯人逮捕の報が流れた瞬間「ワッ!」と喜びに沸いたのは「人質になったのが園児の保護者」だからだとわたしは解釈したんですよね。普通だったら子供にこんな事件のニュースを見せるなという保護者がいるだろうに、みんなで見ていたのはそこに「なんとかちゃんのママ」がいたからだと。
となれば命を張って子供を守り、命を張って命を救う様を目の当たりにして医療従事者差別という愚かなことをしていたことを恥じて謝罪するという展開になるのだと思ったのに、娘だけが駆け出してってあとの人間はテレビを見続けてるってなにこれ。医療従事者差別描写を入れながらフォローなしかよ。

まあ最近じゃそんなこともなくなっただろうけど(そうだと思いたい)未だ差別がないわけじゃないのかもしれないし、実際に差別を受け辛い思いをした人たちにしてみればドラマの中でのフォローなんて無意味なのかもしれないから「娘の言葉だけ」ってのが妥当な落としどころでしょうが。
ていうかSITが全員ビシっと並んで敬礼しただけでわたしの胸はボーボーに燃えたんで(こういうのクッソ大好きだもんで)充分ですが。

で、促されての蔵前さんのハニカミ敬礼返し(でもそこは菜々緒なのでキマってしまうw)と喜多見先生のひょいっと敬礼もよかったし、MER視点としては万事解決オールオッケー!でいいんだけどさ、犯人がこれだけの大事件を起こした理由とか、瀕死の重傷を負った母と心身ともに傷つきまくりの娘のこととか、そこいらへんのアフター描写一切なしで「死者ゼロです!」「ヤッター!」ってドラマとしてわりと乱暴だよね。