Hiroshi Kamiya 1st Live『ハレヨン→5&6』@幕張メッセ イベントホール

すごいものをみた。すごいものをみせてもらいました。
ついに開催された神谷浩史のソロコンサート。神谷さんのことですからきっと素敵な時間を作ってくれるのだろうと期待してその日を迎えましたが、期待も想像もはるかに超える、というか、この表現が適しているのかわかりませんが、もう想像を絶すると言っていいほどの内容で、とにかく「神谷浩史すごすぎる」しかない。可愛いとかカッコいいとかそういう感情よりも、ひたすらすごいすごい神谷さんすごいしか言葉が出なかった。

だってフライングに始まり消失マジックからのスタンドトロッコ登場、火を放ち、アリーナトロッコ、再びのフライング(高速)、ステージが見えなくなるほどの紙吹雪にトドメはゴンドラブランコですよ!?。もうドルコンのフルコース!!!。それをたったひとりでこなしちゃう神谷浩史。キラッキラのアイドル演出に全く負けない神谷浩史
つーか浩史が飛ぶとか誰が予想できたというのか!。
某事務所のコンサートを通ってきた者としてはセット(装置)を見ればフライングがあることは一目瞭然なんですよね。今思えばフライングすることは明らかだった。でもぜんぜんそんなこと思いもよらなかった。なぜならば神谷さんが飛ぶという発想が全くなかったから。
だって40歳よ!?40にして初めてのソロコンサートをやる人がまさか飛ぶとは思わないじゃん。

2曲目の「Dual Wing」で飛んだんだけど、『飛び立ったのは まっさらな今日の空』という歌詞に合わせて飛ぶとか演出も完璧で、しかもすごいのは予備動作を全く感じさせなかったことなんですよ。当然ダンサーさんが器具を付ける動きはしてたんだろうけど、繰り返すけど飛ぶだなんて思ってないからさー、ほんといきなり飛んだ(ようにしか見えなかった)神谷さんに会場がどよめいたなんてもんじゃなかったよね。客席半狂乱ですよ。
2度目のフライングなんてもう振り回されてると表現していいんじゃないかってぐらいの勢いでグルッグル回ってて、ていうか回されてて、それなのに綺麗な姿勢を保ち続けるのみならず歌ってんだぜ!?。しかもライブの後半に!。どんだけすごいのよこのひと。

ここからはわたしの勝手な想像、一方的な思い込みになりますが、神谷さんってこういうことが得意なわけじゃないよね。「Kiramuneの三男坊で、結構古くからのメンバーですが、コンサートをやるのは一番最後になってしまいました」と。「そのぶん、やりたいことがいっぱいある」と。その言葉通り“やりたいこと”がみっちみちに詰まった3時間だったんだけど、果たしてそれは神谷さんがほんとうに『やりたいこと』なのかな?と思うんです。やりたくないとかそういうことじゃなくて、声優・神谷浩史としてはむしろリーディングライブのほうが『やりたいこと』なのだろうし、歌うことは年1のキラフェスで、そこで最高のパフォーマンスを見せる、というのがこれまでの神谷さんのスタンスだったとわたしは思っていたんです。
だってライブやりたいなら(ライブでやりたいことがあるなら)とっくの昔にやってたはずだろう。
だから今回のライブで神谷さんが『やりたいこと』というのは、自分のためにではなくファンのためにやりたいことだったんだろうなーって。フライングもそうだし、トロッコもそうだし、とにかくファンを喜ばせたい、想いを届けたい、そのために出来ること=やりたいことという意味なのだろうと。

「ハレの日始まりの日」を歌うまえに
「上手く歌うことはできませんが、心を込めてうたいます」
と神谷さんは言いました。

この一言が全てだと思う。最初から最後までとにかく心がこもってた。神谷さんの想いがつまってた。

正直技術(歌唱力)としては厳しいものがありました。キラフェスではもっとしっかり歌えることを考えれば両日通じて音程は不安定だったと言わざるをえません。
だけどそういう次元じゃなかった。そういうことじゃなかったんです。そういうものを超えたところで感動した。
MC明けは歌えていたことを考えればもうちょっと余裕のあるセットリスト及び演出にしてもよかったと思うんです。
実際、MC時やここぞって時には天使の笑顔を見せてくれたものの、歌ってる最中は結構苦しげな表情を浮かべることもあったし。
でも神谷さんは歌い続けた。見てるこっちがちょっと休めばいいのに、ちょっとぐらい映像に逃げてもいいのにと思ってしまったぐらい、とにかく歌い続けた。
ファンに対してスタッフに対して、神谷浩史を支える全ての人に対して、誠実に、真摯に、持てる力を全て絞りだすように歌い続けた。
その姿勢に、その精神に、神谷浩史という存在に、わたしは感動したし、感謝の気持ちでいっぱいでした。

「最後の曲です」に対する「えー」を受けての
「その「えー」をうれしいと思う日がくるとは思わなかった」
って、これきっと本音だよね。
「うれしい」の中身はわからないけど、この瞬間神谷さんが「うれしい」と思ってくれたことが最高にうれしかった。



ソロライブだからあたりまえなんだけどさー、3時間ずっと浩史がステージ上にいて、浩史を見っぱなしって思ってたよりもはるかに幸せだった。まさしく贅沢な時間だった。
これだけお金のかかったライブを見せられちゃうと(大勢のサンバダンサーはいいとして、火も紙吹雪もやりすぎってぐらい噴出させてたもん)神谷浩史はどれほどのものを背負っているのだろうかと考えてしまうのだけど、きっと背負い続けるんだよね、神谷さんは。背負えるからこそ神谷浩史神谷浩史なのだろう。
あらためて、すごいひとです。なにもかもがほんとうに素敵。
あれだけ険しい表情を見せながら(ゆえに笑ってくれた瞬間の昂揚感と多幸感はいつもの5割増しだった。笑顔の浩史まじまじエンジェルマン)これだけのものを作り上げてくれた神谷さんに対して、一方的に浩史カッコいい浩史可愛いってその素敵さを貪欲に摂取するだけなのが申し訳ない気すらしてしまうのだけど、そんな神谷さんにこれからもついていけるように、わたしもがんばらなきゃな。