深町 秋生『ダウン・バイ・ロー』

ダウン・バイ・ロー (講談社文庫)

ダウン・バイ・ロー (講談社文庫)

深町さんの作品はよく「荒廃」とか「荒涼」という言葉で表現されると思うのですが、この作品はモロにソレです。この物語の舞台である街といったらもう深町作品の真骨頂ともいっていい荒廃で荒涼っぷりで、あらゆる気力が削がれていくよう。おそらくこんな風景は日本の各地に腐るほどあるのだろう。
でもそんな状況から自力で抜け出そうとしている女子校生が大人の思惑に巻き込まれ、孤軍奮闘する様はとことん作り話っぽく。そしてその作り話は陰鬱で陰惨だけどとても爽快。