輪渡 颯介『狐憑きの娘』

狐憑きの娘 浪人左門あやかし指南 (講談社文庫)

狐憑きの娘 浪人左門あやかし指南 (講談社文庫)

毎度毎度のことですが、今回も安定した面白さでした。
水死体を目撃した子供達が次々と命を落す・・・という話なので内容的にはかなり陰惨ではあるんだけど、いい意味でそういう感じは全くないし、そんな謎解きの末に描かれるのは勧善懲悪ではなく限りなくグレーな裁き(判断)なんだけど、でもそれが変な言い方ですが気持ちいいんだよね。だからといって命を軽く扱っているわけではなく、それはそれこれはこれというか、“そういうもんだ”という割り切りに無理がないから清々しさすら覚えるのです。