桜庭 一樹『少女には向かない職業』

少女には向かない職業 (ミステリ・フロンティア)

あたし、大西葵13歳は、中学2年生の1年間で、人をふたり殺した。これは、ふたりの少女の凄絶な《闘い》の記録。

著者名は知っているのですが、テリトリー外のタイプを書いてるんだろうなぁと思っていたので、これまでこの人の作品を読んだことはありません。満を持して放つ初の一般向け作品とのことですが、タイトルからしてそれほど一般向けじゃなさそう・・・というか、喋る動物とかパンツ見えそうなスカートを穿いてる女の子とかヘンな語尾とかをとっただけなんじゃねーの？なんて思いながら読み始めました。我ながらものすごい偏見。なら読まなきゃいいのに・・・と自分でも思いましたが、なんとなーく買っちゃったんだよな。なんで読もうと思ったんだろ？謎。
で、感想。ごめんなさい、面白かったです。迷路の中でバトルアックスを振りかざす少女を書きたかっただけなんじゃ・・・？と思わなくもないんだけど、一般向けとしては、少女が主人公でこういうタイプの作品って珍しい気がするし、この年頃の女の子にありがちな妙な潔癖さとか、自分でコントロールし切れない衝動とかそういう描写にリアリティがあると思ったし、文章も読みやすかった。最後の1行から受ける後味の悪さもすごく好き。読まず嫌いは損だよな・・・と思いました。でもやたらと胸がでかくて目くりくりの女の子が表紙絵になってるようなのはやっぱ無理。