楡 周平『フェイク』

フェイク

フェイク

銀座のクラブに出入りする人間が繰り広げるプライドを賭けたマネーゲームって感じのお話。前半は銀座ホステス成り上がり物語で、後半はこの作者得意の大金奪取モノ(+経済エキス入り)みたいな感じ。主役は3流大学を卒業したばっかりの貧乏な若者で、その成長物語としても読める。といっても展開読めまくっちゃうし、毒もないのであっさり。もっと骨太の作品を書く人なのに、これはちょっと軽く書きすぎてるかな。あっという間に書いちゃいました的手抜き感がアリアリ。それでも後半、大金を吐き出させる為の手段はちょっとおもしろかった。全く接したことのない世界なんで、具体的にイメージするのがちょっと大変だったんだけど、一瞬でボードが黄色に変わる様は想像するだけでもちょっとテンション上がる。こういうこと言うのは間違ってるとは思うんだけど、この手の話はやっぱ新堂冬樹だったら、もっとグロくてブラックになるのにーと思っちゃう。なんか全然物足りないの。なんつーか、自分ちょっとヤバイかも。