新堂 冬樹『銀行籠城』

銀行籠城

銀行籠城

閉店間際の銀行に現れた一人の男。逃げようとしたサラリーマンを射殺し、行員と居合わせた客の40人を人質にし籠城する。人質を全員全裸にさせ、人間の尊厳を奪い、完全に奴隷化したその男の名は五十嵐。警察のメンツを潰し、マスコミの前で射殺を繰り返すその目的は何なのか?息をもつかせぬ犯罪小説の最高傑作!・・・・・・・・・も、物足りねぇ!こんなの普通ですよ。新堂に求めてるのはこんなありきたりの小説じゃないんだよー!しかも何?最後はホロリ?そうじゃないだろ、お前の持ち味は!と声を大にして言いたいです。一応、実際に起こった犯罪を下敷きにして書かれてるようですが、よく知らない事件なのでなんとも・・・。正義感ぶって反抗する人質に、殺されたくなければ他人が漏らした小便を全部舐め取れと命令したりとか(当然嘔吐物にまみれながらってのアリ)、犯人にパシられる人質の行員の中でも一番冴えなくて嫌われてるであろう小男の卑屈っぷりとか、所々新堂エキスはあるんだけど、ダメ。足りなすぎる。売れるとあんまり無茶なものを書けなくなるんでしょうか。またまた犬とか出しちゃって、ホロリポイント作ってるし。犬で女子供を釣るんじゃないよ。ほんとにもう。まぁ、次の「三億を護れ!」に期待します。新聞で三池監督のコメント載ってたしな。