『リスクの神様』最終話

最後にオフ姿の坂手が素敵だったことと、結城のアクションを見られたことはよかった。
一線を退いたことでかえって色気が増した坂手も“女性の口を背後から塞ぐ”のに同じ身長だった結城くんもすこぶるよかった。
特殊警棒を伸ばすのがどうみてもチンピラでしかなかったことも含め(笑)。階段から突き落とされた恨みとばかりにボコりまくる様がガチの泥臭さ(笑)。
サンライズ本社が抱える秘密それ自体はなるほどねーと思えるものだったし、真実を暴くにあたっての神狩の関わり方(関わらせ方)も面白かったんで、これを全編通してしっかり描けばよかったのになぁ。で、西園寺と父親の関係と、神狩と母親の関係を軸にして、財部さんと坂手の関係性や西園寺との出会いを含めた種子島と結城の背景なんかをじっくり描けばもうちょい楽しめる作品になっただろうに。
いや本心としては非合法なことでも構わずやっちゃうつっつん率いる探偵たちの話とか、そういうベッタベタな設定でこのひとたちのガチ演技バトルが観たかったんですが。
これまでだったらそんなのただの願望でしかなかったけど、こんなキャスティングを実現してくれちゃったせいでそれは“逃してしまった魚”になってしまたわけですよ。そしてその魚はきっともう二度と捕まえることができない。脚本や演出に多少の難があったとしてもこの人たちならば自力でなんとかできたでしょうが、この人たちをもってしてもこの結果にしかならなかったほどの脚本と演出だったこと。それが心底悔しい。

『ホテルコンシェルジュ』第9話

ピン子もあんまり好んで見たくはないけどそれよりも娘役の人が大のつくほど嫌いでなぁ・・・・・・と思いながら見てたら最後の最後で主人公なにやらかしちゃってんの。ビジネスの場に断りもなく乗り込んできて私的な内容についてあんな口調でキーキー喚かれたらピン子でなくとも怒るわ。ホテリアーとしてはもちろんのこと社会人としても完全にアウトだろ。なんも学習してねえこの女。なんだかんだいいつつ結構楽しんで見てたけど、最後のエピソードがこれってなぁ・・・。
こんなことならピン子が首にした二人の代わりとして西内まりや夏菜に「あなたたちコンテストに出なさい」って言う(んだと思ってたw)ほうがまだマシだったかも。
ていうか唯一の一般公募で選ばれた人がどう見ても数段落ちるってか、ファイナリストに残ってることがおかしいと思うレベルだなーと思ってたら、弟が落選前提の手紙持ってきてワロタw。弟ちゃんとわかってんだなーってw。
なのでむかし家出したときに知り合ったというモデルの子に「私を連れて逃げて!」と言われる珠久里さんを妄想して楽しみます。
あ、でも予告にあった全力疾走夏菜はなにがどうなってああなるのか楽しみ。

木下 昌輝『人魚ノ肉』

人魚ノ肉

人魚ノ肉

帯に「人魚の肉を食めば、妖に憑かれる」とありまして、その「人魚の肉」とやらを食べた岡田以蔵坂本龍馬から始まり、新撰組隊士、さらには近藤勇沖田総司斎藤一と幕末の志士たちが次々と「妖」になっていく物語です。
どれも二次元・三次元問わず妄想力を掻き立てられるのですが、やはり沖田総司が主役の『肉ノ人』が抜群に読み応えあり。
隊士から勧められて人魚の肉と言われる珍味を口にした総司が血肉を欲するようになってしまうという物語なのですが、山南さんの愛に泣かされまくり。池田屋での喀血や山南さんの体調、長倉と原田の離脱といった史実とされている事象を「総司の妖化」というトンデモ設定へ絡める様も見事だし(これは全ての作品がそうで、だから歴史小説の枠からはみ出さず“そういう(それらしき)こともあったかもしれないなーという目線で読めます)、ていうか新撰組+吸血ときたらその種の人は即思い浮かぶ作品がありまして、もれなくわたしもそれを想起しながら読んだわけですが、女が介入しない分こっちのほうがはるかにピュアで、山南さん(と、そんな山南さんの意志であり遺志を受け止める近藤さんと土方さん)素敵すぎて泣けちゃう。哀しくも優しいラストカットに泣いちゃう。