原作はまったく知らないし(いくえみ綾さんの作品なんですね)「バイオリン教室を舞台に世代を超えた友情と恋」とか1ミリも刺さらないし、メイン三人の演技力頼みになりそうだけどそのメイン三人がイマイチ地味じゃない・・・?
とか思いながらも連ドラ好きとしてとりあえず初回は録画しておこうってなわけでまさに「無」の状態で再生ボタンを押しましたが、けっこうな勢いで惹きつけられてしまった。
大人になってバイオリン(に限らず仕事に直接関係するわけではない習い事)を始めるにはなにか理由が必要で、それはちゃんとしたものでなくとも“趣味が欲しい”程度のものでもいいわけで、でもそれじゃドラマにならないからもうちょっと“語り甲斐(描き甲斐)”のある理由となるのは当然のことだけど、
波瑠は寿退社寸前で「半年前から好きな人がいる」と言われ破談になりそのまま退職(って前もこんな役やってなかったっけ?)
松下由樹は同居してる姑と折り合いが悪く、旦那が浮気
中川大志は婚約者がいるのに別の女性の妊娠が発覚しその女性と結婚した兄の元婚約者に恋をしている
って、思ったよりもハードな背景でびっくりしたんだけど、でも三人ともバイオリンを習いたいと思ったことに、その心の動きに共感・理解ができてしまうところがちょっとすごい。どれもわたしの人生にはありえない情動なのに、なんかわかると思えることがすごい。
たぶんそれは三人のキャラクターと関係性がイイのと、やっぱり三人の演技力がしっかりしているからだろう。
『年上女性に二人がかりで揶揄われる中川大志』はちょっと前にもあったけど、あっちは中川くんの魅力発揮に繋がらなかったのに対し(それより女二人のパワハラっぷりがすごすぎて)これは非常にイイです。「小暮さんアレですよねw」「あからさまですよねw」とカラオケボックスで二人が喋ってるのをドアの隙間からジト目で見てる中川くんとか可愛すぎてこれだけで継続視聴のモチベとして充分。髪の毛ちょっと重すぎるけど。
あとやっぱり松下由樹が巧い。波瑠と中川くん(に桜井ユキにと鈴木伸之)だけだと恋愛比重が高くなるけど(波瑠は中川くんの住所をどうやって知ったのだろうか。バイオリン教室で一緒にレッスンを受けてるだけの関係性で住所を教え合うとはちょっと考えにくいんだけど)、松下由樹の劇中の視点(役としての視点)と作劇としての視点があるから、それこそ「大人の話」になってる。誰の話が一番気になるかって言ったら断然松下由樹だもん。
火曜のもう1本は前作を見ていないので最初からノータッチなんで、思いがけず楽しめそうなドラマで嬉しいな。