輪渡 颯介 『夢の猫 古道具屋 皆塵堂 』

夢の猫 古道具屋 皆塵堂

夢の猫 古道具屋 皆塵堂

帯に書かれた「ついに完結!!」の文字に書店で呆然としてしまいました。
このシリーズが『完結』する日がくるだなんて、思ってもみなかった・・・・・・。
始まりがあれば終わりがある。それは確かにそうです。でもこのシリーズには「終わり」を想像・予想させるような要素なんてなかったじゃないですか!。ていうかそもそもどこかへ向かって進んでたんですか!?と、今日も明日も明後日も、人と猫がおもこわ(おもしろ怖い)な日々を生きてるだけのシリーズに終わりなんてあるんですか!?と、完結の二文字に向かってそう心の中で抗議せずにはいられませんでした。
で、読んだ。
今作で新たに登場した人物の物語を中心に、これまでその役割を担っていた者たちのその後、そして皆塵堂関係者の日常を描くスタイルは“いつも通り”で、まったくもって完結しそうな気配ないんですけど・・・・・・
と思いながら読み進めたけどやっぱり最後までいつも通りだった。
え?これで完結なの・・・・・・?。
いや、益治郎の話に決着がついたり、太一郎は父親から店主の座を譲られることになったりと、心境の変化や立場の変化があるであろうことは読み取れるので“これまで通り”というわけにはいかないんだろうなってのはありますよ。でも変わったら変わったでそれでもまた日常は続いていくわけで、それを読みたいわけで、終わらせなくてもいいじゃないですか輪渡さん!と思わずにはいられませんっ!!。やだー!もう鮪助に会えないなんてやだーーーーーーー!!。