前作にあたる「
4TEEN」は結構感動しながら読んだ記憶があるのですが、4人の少年が2つ歳を重ねて16歳の高校生になった今作はイマイチ・・・ていうかもうこの人こっち方面は出がらしどころか搾りかすしか残ってないって感じがします。何を書いても
IWGPのようでありながら当然あの圧倒的なグルーヴはなくて、しかもはっきり言って中年男になった
石田衣良の「現在(と書いてリアルと読む)」の切り取り方が気持ち悪い。若者を描くのに歳は関係ないとは思います。60、70だって瑞々しい若者たちを描く人だってきっといるだろうとは思う。でもそこには絶対いい意味での「作り物感」があるはずで、それがあるからその物語に安心して没頭できるんだよね。でも
石田衣良の物語は「
石田衣良」が出すぎなの。読みながら常に“時代に敏感で若者の気持ちがわかる俺”に酔ってる
石田衣良がチラつくのです。それが非常に気持ちが悪い。